日韓女子サッカー頂上決戦…「欧州に負けないきっかけに」ACLプレ大会決勝へ闘志

AWCC決勝の前日会見【写真:轡田哲朗】
AWCC決勝の前日会見【写真:轡田哲朗】

女子ACLプレ大会の決勝戦に向け前日会見

 来シーズンに開始する予定の女子AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレ大会「AFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament(AWCC)」の決勝が、5月10日に浦和駒場スタジアムで開催される。三菱重工浦和レッズレディースと仁川現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)による前日会見が開かれ、浦和の楠瀬直木監督は「アジアの女子サッカーの発展、欧州に負けないようにするきっかけに」と、思いを話した。

 今大会は昨年夏にタイとウズベキスタンでグループリーグが集中開催され、浦和と仁川が勝ち抜けた。開催予定だった決勝は、一度はアジアサッカー連盟(AFC)により実施しないことが発表されたが、WEリーグや浦和が開催の再考を依頼するレターを日本サッカー協会(JFA)経由でAFCに送り、韓国側とも協議し開催する運びとなった。

 そうした経緯があるだけに楠瀬監督は「当初、決勝戦が中止ということでアジアの中で女子サッカーの扱いがそういうものだとも感じた。ただ、開催されることになったこと、これはチャンスと捉え、私たちはアジアの女子サッカーがこんなに楽しいと証明して次の扉を開く意義を持って戦いたい」と話す。

 仁川は韓国女子サッカーリーグ(WKリーグ)を11連覇中の強豪だが、キム・ウンスク監督は「韓国では誰もが来たいけど、簡単に入れないチームという自尊心があるのも1つの強み。田中選手のように外国人選手も多い。昨季は連敗から苦しいスタートだったけど、最後は優勝した、自尊心やプライドも強みだと思う。韓国では、やっぱり優勝は現代という例え話もあるくらいの確立されたものがあるので、それも1つの強みだと思う」と、前日会見に出席した2022年から所属の元なでしこジャパンMF田中陽子のことも例に挙げ話した。

 浦和は男子のトップチームがACLを3回優勝しているだけに、男女ともアジアの頂点に立つチャンスとなる。主将のMF柴田華絵は「男子がアジアで優勝した姿を私も見ているし、ファン・サポーターの方々の熱い声援や力が大きいと感じる。そういった方々のためにも、ではないけれども、優勝しないといけないチームだと思う。優勝するんだではなく、優勝しますという意気込みや気持ちで臨みたい」と話した。

 浦和のスタッフによると平日の18時キックオフという条件ながらチケットは約4000枚が販売されているという。楠瀬監督は「日本でクラブ単位でのアジアの大会の決勝をできると思っていなかった。歴史的な一戦に関わることを誇らしく、感謝している。仁川という韓国で歴史ある強いチームと戦えることも誇りに思うし感謝している。アジアの女子サッカーの発展、欧州に負けないようにするきっかけになれば。明日は皆さんが喜ぶようないい試合にしたい」と話した。

 また、柴田は「女子サッカーで韓国と日本の代表としてプレーするのもなかなかない貴重な機会だと思うし、それが日本でできるのでこの機会に足を運んでほしい。来て良かったと思ってもらえるサッカーをするので、ぜひ見に来てください」と呼び掛けていた。日韓の女子サッカーを代表するクラブがプレ大会とはいえ頂点を懸けて繰り広げる熱戦が、アジアの女子サッカーの発展につながっていくことも期待される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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