シュエ・ハン記者が推す中国代表の期待選手はFWシエ・ウェンノン

　日本サッカーファンのみなさま、こんにちは、久保田嶺です。パリ五輪の出場権を懸けたU-23アジアカップが4月16日にカタールで開幕します。日本代表の全試合地上波放送も決定して盛り上がっていますが、日本の初戦の相手は中国代表になります。どの選手に注意すればいいのか、中国サッカーファンからの評価など、現地記者に取材しました。

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「非常に期待している選手は、23歳のFW謝文能（シエ・ウェンノン）です。彼の右サイドの突破は日本代表を苦しめるはずです」

　こう開口一番話してくれたのは、中国大手サッカーメディア「懂球帝」の薛航（シュエ・ハン）記者です。中国全土を飛び回り、毎週末に中国スーパーリーグを現地で取材する彼ですが、自信満々にこう話してくれました。

「山東泰山の謝文能（シエ・ウェンノン）は、中国代表若手のホープと言えると思います。すでにA代表にも呼ばれており、クラブでももちろん主力で活躍しています。先日のACL（AFCチャンピオンズリーグ）でも山東泰山の一員として日本の横浜F・マリノスと試合をしています。負けてしまいましたが、彼自身は良かったと思います。ポジションは右サイドハーフで、ガッチリとした体幹を使った推進力のあるドリブルが特徴です。彼なら日本代表を崩せるかもしれません」

　私も彼のプレーを見たことがありますが、日本人選手で例えると右サイドに入った時の南野拓実（ASモナコ）選手のようなイメージでしょうか。縦への突破ではなく、しっかりボールキープをしながらアシストや中に切れ込んでのシュートを得意としています。

「日本と韓国と同組となり、難しいグループだとはもちろん理解しています。しかし、直近の親善試合では連勝をしていた時期もあり、勢いは悪くないと思います。期待しています」

中国のサッカーファンの期待値は低め

　では、中国サッカーファンのU-23アジア大会に対する期待や雰囲気はどうなのでしょうか。シュエ・ハン記者の所属するサッカーメディア「懂球帝」では、U-23日本代表・大岩剛監督の「中国人選手のフィジカルは非常に強く、強度も高い」というコメントが注目されました。

　中国代表ももちろん脅威であるという大岩監督の趣旨ですが、中国サッカーファンからは「一番嫌いなのは日本チームです。彼らはいつも試合前に必ず私たちを褒めてくれます。しかし、試合が始まると『中国は前半シュート0本』など…韓国のように素直に馬鹿にしてもらったほうがまだマシです（笑）」とコメントがあり、多くのいいねを集めています。

　また直近のカタール、マレーシア、ヨルダンの親善試合で3連勝していたことから「3月2日カタール、4月5日マレーシア、4月8日ヨルダンのグループステージで我々は3連勝して予選を突破した。（親善試合の）ウズベキスタン、日本と韓国は我々の決勝トーナメントだ。負けても仕方がない」と自虐をしているコメントも多く賛同されており、中国サッカーファンの今大会に対する期待はあまり高くないようです。

　それでも、何が起こるか分からないのが初戦。1年前のU-20アジアカップでも今大会同様に日本の初戦は中国でした。大方の予想では日本の圧倒的優位でしたが、中国が先制、後半に日本が逆転したものの、難しい試合でした。その試合には松木玖生（FC東京）選手や高井幸大（川崎フロンターレ）選手など今大会にも中心として出場する選手もおり、それは中国代表も同じです。U-20アジアカップのリベンジに燃える中国、開幕戦にふさわしい好ゲームになることを期待しています。