41歳・川島永嗣が好セーブ連発…新潟27歳も感服「代表目指したい」の言葉に覗く決意【コラム】

新潟戦で好セーブを連発した川島永嗣【写真:徳原隆元】
新潟戦で好セーブを連発した川島永嗣【写真:徳原隆元】

磐田の守護神・川島が勝利に大きく貢献、敗れた新潟GKも納得の出来

 ジュビロ磐田がアルビレックス新潟をホームのヤマハスタジアムに迎えた試合は後半に2得点を奪った磐田が2-0で勝利。J1に昇格した今シーズン、初のクリーンシートとなった。

 その立役者がGK川島永嗣であることに異論の余地はないだろう。後半の苦しい時間帯に、MF小見洋太が放った振り向きざまの左足シュート、右ワイドからのDF長谷川巧の危険なシュートを立て続けに弾き出して流れを引き寄せると、PKにより1点をリードした終盤にはパントキックを前線のFWマテウス・ペイショットに当てて、FWジャーメイン良による今季7点目のゴールを演出した。

「ゲーム中の要所要所で、自分たちが本当に厳しくならなければいけない部分もありますし、ゲーム中で締めていかないと勝利にはつながっていかない。そういうところは1試合1試合、自分たちもよくできてるんで、続けていきたい」

 川島はディフェンス陣の頑張りを含む、チームとしての勝利を強調した。試合後にはディフェンス陣で抱擁する姿が印象的だった。横内昭展監督が「似たところがある」と認めるように、両者のスタイルはしっかりとボールをつないでチャンスの起点を作っていく側面で重なった。磐田のディフェンスが新潟のビルドアップに守備をはめきれず、深い位置まで押し込まれる局面も多かった。

 そうした状況でも磐田は慌てることなく戦った。「自分たちの意思をどれだけ統一してゲームに臨めるかが、ポイントを稼ぐために本当に重要になってくる」と川島が語るとおり、U-23日本代表DF鈴木海音らを軸にディフェンスラインを上げることで新潟の時間帯を続けさせない意識が統率されていた。

 反対側でゴールを守っていた新潟GK小島亨介は「ビッグセーブで耐えるところをしっかり耐えるっていうところで、僕自身も味方がピンチの際にしっかり守れるっていうところは増やしていきたい。流れを変えるようなセーブもチームとして大事だと思うので、そこはこれからもしっかり意識してやっていきたい」と言葉に力を込めた。

「毎年毎年、自分は成長したい」ベテラン川島の存在が周囲に刺激

 東京五輪世代の小島は2019年に日本代表が招待国として参加したコパ・アメリカで、川島と活動をともにして「本当に学ぶものは多かった」という。過去4度のワールドカップ(W杯)を経験し、41歳でも存在感を示し続ける川島を前にして、「この結果をしっかり受け止めて、自分たち次第では勝てたゲームを落とした印象もある」という27歳の小島も改めて、成長に向けた気持ちを高めるゲームになったようだ。

「代表入りを目指したいと思いますし、そこのチャンスがあると思っている。ただ、チームで高いパフォーマンスを維持し続けないと、そこにもつながっていかない。攻守両面で高いレベルをしっかり表現できれば」

 川島は南アフリカW杯後、川崎フロンターレからベルギーに渡り、スコットランド、フランスのクラブを経たのち、今季からJリーグに戻ってきた。ベテランGKは「日本に帰って来るというよりも、磐田にやって来た」と心境を語っていたが、その影響力はチームメイトのみならず、対戦相手のGKにも刺激になっているようだ。

 川島はまだ20代前半の時に、筆者に「40歳になった時にどういうGKになっているか」という話をしてくれたことがあった。その時に「40歳までやる」ではなく、その時にどう成長しているのかを思い描いているのが印象的だったが、改めて聞くと「まだまだやらなければいけないことがあるなっていうふうに正直思っているのが現状です」と語ってくれた。

「欧州にいる時も毎年毎年、自分は成長したいと思ってましたし、厳しい環境の中でも、それは変わらなかった。そのスタンスっていうのはまだ自分の中では変わらない」

 そうした川島の姿勢が、小島をはじめとした日本のGKにとって大きな指標になっていきそうだ。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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