なぜアジア杯に3位決定戦はない? ベスト4敗退の韓国、2015年大会からの“変化”に注目

韓国代表はヨルダン代表に敗れてベスト4敗退【写真:ロイター】
韓国代表はヨルダン代表に敗れてベスト4敗退【写真:ロイター】

韓国は準決勝でヨルダンに敗れて敗退決定

 韓国代表は、アジアカップの準決勝でヨルダンに0-2で敗れ、ベスト4敗退となった。3位決定戦はなく、残るは2月10日に行われる決勝戦(ヨルダン対カタール)のみだが、韓国紙「ハンギョレ」は「荷物をまとめた韓国…。アジアカップになぜ3位決定戦はないのか?」と取り上げている。

 グループリーグでは、バーレーンに次ぐ2位だった韓国は決勝トーナメント以降、サウジアラビア(1-1/PK4-2)、オーストラリア(延長戦2-1)と、優勝候補国をそれぞれ延長戦を戦って撃破。粘り強いサッカーは“ゾンビサッカー”と呼ばれ、勢いに乗って準決勝に挑んだ。

 しかし、ヨルダン戦は0-0で迎えた後半8分、FWムサ・アルタマリに先制点を許すと、同21分にはアルタマリの突破を許して2点のビハインドを背負う。反撃に出るも、ラスト15分を切って5バックに変更したヨルダンの牙城を崩せず、時間が経過。ここ2試合、終盤の粘りで勝利を手繰り寄せてきたがその再現ならず、伏兵ヨルダンに屈した。今大会で64年ぶりとなる優勝を目指したが、無念の4強敗退で夢破れた。

 韓国紙「ハンギョレ」は、「荷物をまとめた韓国…。アジアカップになぜ3位決定戦はないのか?」と見出しを打って取り上げている。

「カタールでもう韓国の試合はない。今大会に3位決定戦はないからだ。ベスト4で終わればそのまま終了。ワールドカップ(W杯)とは違う方式だ。アジアカップでも2015年大会までは3位決定戦があった。しかし、19年大会はなかった。3位決定戦が行われたなかったのは、決勝ラウンドがノックアウト制になった1972年以降初めてだった」

 記事では、現在は3位決定戦が行われない理由について考察している。

「3位決定戦が消えた理由は、現在欧州リーグの真っ最中だという点が最も説得力がある。各国代表選手の多くがイングランド、ドイツ、フランスなど欧州リーグでプレーしているが、彼らはアジアカップを終えたあと、ただちに所属チームに戻り、リーグ戦に出場しなければならない。ソン・フンミン(トッテナム)やキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)、イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)は2月11日に所属チームのリーグ戦が行われる。11日は、韓国がヨルダンを破っていたなら、アジアカップ決勝戦の日だ。

 ワールドカップ(W杯)などと比べて賞金が少ないのも3位決定戦がなくなった理由の1つだ。今回のアジアカップでは準決勝敗退チームにそれぞれ賞金100万ドル(約1億5000万円)が与えられる。選手たちの年俸と負傷の可能性などを考慮すれば、それほど多くない金額だ。カタールW杯時、3位のクロアチアが2700万ドル(約4億円)、4位のモロッコが2500万ドル(約3億7000万円)を受け取ったのと比較される」

 64年ぶりの優勝は夢に終わったものの、「ベスト16、準々決勝で見せた諦めない精神だけは最高だった」と、“ゾンビサッカー”の異名を取った粘り強い戦いを称えていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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