伊東かばう会見発言も…「被害者いるかもしれない」 森保監督「私の言葉足らず」と反省【現地発】

森保一監督が「私の言葉足らず」と反省【写真:ロイター】
森保一監督が「私の言葉足らず」と反省【写真:ロイター】

イラン戦に向けた公式記者会見で、代表離脱の伊東純也に言及

 日本代表の森保一監督は2月2日、翌日のアジアカップ・ベスト8のイラン戦に向けた公式記者会見を行った。会見では代表チームからの離脱が決まった伊東純也についての質問が寄せられた。

 森保監督は伊東の離脱について、「できれば、伊東選手とはこの大会最後まで戦い、みんなで優勝を目指して戦いたいという気持ちは持っておりました。そのなかで協議をした中で本人の意思もあり、離脱という判断を日本サッカー協会がしたところ、同意して、明日の試合には彼は我々とともに戦わず離脱ということになりました」と経緯を語った。

 さらに伊東について、選手のメンタルや伊東と会話の有無を尋ねる質問があり、森保監督は回答するとともに、離脱の影響についてこう語った。

「彼はアジアでも本当に素晴らしい選手であるなかで、今回プレーできないことは、アジアのサッカーの発展にも響くことだと思いますし、アジアのサッカーを見てくださる方々、明日の日本対イランという素晴らしい戦いのなかで、世界のトップ基準で戦える選手がいなくなることを非常に残念に思います。彼がまたアジアの選手として世界で戦えるプレーを見せてくれることを一緒に応援していただければと思います」

 この発言は、強豪との戦いに主力選手が出られないことを素直に嘆いているということだろう。だが、受け取り方によっては被害者とされる人たちを軽視しているように思えるのではないか。被害があったのならば、出られないのは仕方がないことなのだ。

 記者会見後、この発言に問題はないのかと森保監督に質問した。指揮官は最初、戸惑いながらもすぐに発言の不備を理解し、次のコメントを残した。

「被害者がいるかもしれないということに関しては、その方のお気持ちを尊重したいと思っています。そこは、私の言葉足らずのところがあったかもしれないですが、被害者の方がいるかもしれないということは、しっかりと考えたうえでの適切な発言をしなければいけなかったと反省しなければいけないと思っています」

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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