森保J「非常に無力」だったのは? 初陣2失点…英記者がベトナム戦先発11人を採点
守備陣と、ノーゴールに終わった細谷には厳しい採点に
森保一監督率いる日本代表は、1月14日にアジアカップ初戦でベトナム代表と対戦して4-2で勝利した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバーを採点。セットプレーから2失点を喫した守備陣や、先発出場しながらもハーフタイムで交代になったFW細谷真央には、厳しい採点が付けられている。
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日本代表・ベトナム戦の先発メンバー採点(10点満点)
<GK>
■鈴木彩艶 4点
ベトナムのヘディングでのループシュートによる1点目の場面では、ボールが無人のエリアに落ちたことが不運だった。しかし、DFファン・トゥアン・タイに押し込まれた2失点目の場面では、弱気なボールクリアーにより鈴木彩艶が関与したことは言い逃れができない。
<DF>
■菅原由勢 5点
最近のサムライブルーでのパフォーマンスと比較すると、前に出る能力を示す回数が少なかった。また、FWグエン・ディン・バクのスピードにも苦しめられ、彼がフリーキックを与えたことでベトナムにリードを許すことになった。ファウルによってイエローカードを受けたのは正しい判定だったが、審判によっては退場にされていたかもしれない。
■板倉 滉 5点
ベトナムにコーナーキックとフリーキックによる失点を喫したことからも、日本がセットプレーに対する脆弱さを見せた。この点はサムライブルーが大会を勝ち進んでいくためにも、板倉滉がほかの守備陣とともに改善しなければいけない。今日は彼の最高のパフォーマンスとは言えなかった。
■谷口彰悟 5点
ベトナムの2つのゴールシーンでは、ペナルティエリア内で制空権を握れなかったことは日本の守備の中心が機能しなかったことを意味している。このパフォーマンスによって谷口彰悟のポジションは、間違いなく分析されることになり、イラク戦ではより狙われる可能性がある。
■伊藤洋輝 5点
試合に先発出場した伊藤洋輝は中村敬斗と上手く連係して先制点につながるコーナーキックを得ている。だが、守備陣の1人としてはベトナムのセットプレーを防ぎきれなかったことにより、評価は分かれることになる。
守田や中村には、ポジティブとネガティブ両面を指摘
<MF/FW>
■遠藤 航 6点
日本のすべてにおいて中心にいた。だが、リバプールの選手はこの試合のパフォーマンスが彼にとって良いパフォーマンスではなかったと認めるだろう。それでも、南野拓実の同点ゴールにつながるパスを供給できるだけのクオリティーの高さは維持している。
■守田英正 5点
ポルトガルを拠点とするMFは良い面と悪い面がミックスしたパフォーマンスを見せた。後半には日本のリードを広げるチャンスをベトナムのGKフィリップ・グエンによって阻まれている。この先の試合ではプレーがより良くなることが期待される。
■伊東純也 6点
深く引いたベトナムの守備により、最終ラインの裏のスペースを見つけられず、持ち味のスピードを使えなかった。そのため試合のほとんどの時間帯で、相手に衝撃を与えられずに苦しんだ。ただし、彼のコーナーキックが日本の先制点をもたらしている。
■南野拓実 7点
最近の日本代表の試合で、ゴール前における自信と冷静さが高まっていることを示してきた。この日のパフォーマンスは、それをさらに裏付けるものとなり、2つの重要なシュートを冷静に決めきり、マン・オブ・ザ・マッチの活躍を見せた。
■中村敬斗 6点
前半アディショナルタイムの素晴らしい一撃によって、日本はハーフタイムをリードして迎えることができた。しかし、スタッド・ランスのウイングのパフォーマンスは、良いところもあれば悪いところもあった。日本の左サイドのポジションを固めるチャンスを逃したかもしれない。
■細谷真央 4点
柏レイソルの22歳のストライカーは非常に無力であり、ハーフタイムで交代になった時に、ほとんど驚きはなかった。将来的に先発のレギュラーになれるポテンシャルは持っているかもしれないが、やるべきことがまだある。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。