高校選手権で優勝するために何が必要なのか? 22年間追求し、青森山田監督が出した結論とは
監督就任3年目から20年連続選手権出場も…3回戦敗退9回で悩む時期も
選手権優勝を成し遂げるために何が必要なのか――。22年間追い求め、名将はある結論にたどり着いた。第95回全国高校サッカー選手権は、青森山田(青森)の初優勝で幕を閉じたなか、1995年の監督就任から22年目にして悲願を達成した黒田剛監督は選手たちと喜びを分かち合い、目を少し赤くして記者会見場に姿を見せていた。
黒田監督の就任から3年目の第76回大会から、青森山田は20年連続で選手権に出場してきた。7大会前になる第88回大会では、鹿島アントラーズで活躍するMF柴崎岳を2年生レギュラーとして擁し、準優勝も果たした。しかしそれは例外的なもので、第79回大会と前回大会に4強進出した以外は、その前の段階で敗退。ベスト16となる3回戦での敗退は、実に9回を数えた。
「なかなか3回戦の壁を乗り越えられず、(青森)山田はそれ以上いけないんじゃないかとも言われました。これだけやってきたのに、なぜ勝てないのかと自分自身に悩む時期もありました」
豪雪地域とされる青森県勢として、どうしても冬場の練習環境もクローズアップされた。しかし、「むしろ雪にパワーをもらっている。サッカーをしている時間だけが全てではなく、逆境や我慢、辛抱が考えさせる時間をくれる」と、一切の言い訳をせずに向き合ってきた。そして、この年代では高円宮杯プリンスリーグも始まり、実戦経験を積む機会が増加。移動による大変さもあったが、公式戦を繰り返すなかで黒田監督は一つの結論に達した。