森保ジャパン、アジア杯へPK練習実施 W杯で悪夢も…南野拓実「準備はできています」【現地発】
アジアカップ開催地カタールで全体練習
1月12日に開幕するアジアカップへ向けてカタール入りしている日本代表は7日、全体練習を行った。1時間ほどのトレーニングを終えると全員でPK戦の練習を実施。MF南野拓実(ASモナコ)も綺麗な弾道でPKを決め、嬉しそうな表情を浮かべていた。
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2022年カタール・ワールドカップの幕切れは残酷なドラマだった。ベスト16のクロアチア戦は前半43分にFW前田大然(セルティック)が先制したものの、後半同点に追いつかれ、延長でも得点が生まれることなく、勝負の行方はPK戦に委ねられた。
PKに自信を持っていた南野は、誰も挙手しなかった1番手に自ら進んで名乗り上げ、重圧のかかる役を引き受けた。だが南野が蹴ったボールは読み切ったGKの腕の中へ。結局日本は敗れた。いつもはどんな状況でも報道陣の質問に嫌な顔1つせず答えてきた南野だったが、この日だけは誰に話しかけられてもうつむいたまま通り過ぎていった。
練習でのPK戦について聞かれた南野は「そういう状況になればね。今日もいい練習してきていますし、僕だけじゃなくて全員そういう状況でもしっかり勝てるようにという準備はできています」と、にこやかに語った。
2019年アジアカップではトップ下としてプレーし、豊富な活動量でチームを救ってきた。だが決勝では日本を研究し尽くしたカタールにいいところなく敗れ、準優勝に終わってしまった。
南野は前回のアジアカップの印象について「前回は悔しい思いが1番自分としては残っていて、この大会は、日本は優勝しないと意味がない大会だという記憶はあります」と悔しさを滲ませる。
だが準決勝で難敵のイランを破った時は、転ばされたと思った南野が諦めずに立ち上がり、コーナー付近から上げたクロスをFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が決めて先制点を挙げた。南野のひたむきなプレーが日本に流れを持ってきたと言っていいだろう。
その点に触れると南野は「そうですね」とちょっとはにかんだあと、「でも、それから自分たちも成長していますし、そういう部分も含めて証明できればいいかなと思っています」と続けた。
南野が思うこの大会で最も大切な試合は「初戦」。「僕たちがワールドカップでドイツと試合をした時のようなことは、サッカーなのであり得ますから。ベトナムが相手でも油断はできないですし、まずは初戦を勝つのが1番大事かなと思います」。南野はそう言うと表情を引き締めていた。
(森雅史 / Masafumi Mori)
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。