伊藤涼太郎「悔しさ残る」A代表デビュー戦 「鍛え直さないと…」主力との“差”痛感

スタメン出場した伊藤涼太郎【写真:徳原隆元】
スタメン出場した伊藤涼太郎【写真:徳原隆元】

タイ代表との国際親善試合で先発デビュー

 森保一監督率いる日本代表は1月1日、国立競技場でタイ代表との国際親善試合を行い、5-0の勝利を飾った。MF伊藤涼太郎はこの試合でスタメンを飾り、A代表デビュー。前半45分のプレーに終わったなか結果に絡めず、悔しさを覗かせた。

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 2023シーズン、日本代表に招集してほしいという声が最も多く挙がった選手の1人が、当時アルビレックス新潟に所属していた伊藤涼だった。6月にベルギー1部シント=トロイデンへ完全移籍。1月1日のタイ代表との国際親善試合に向けて初めて日本代表に招集され、先発でデビューを飾った。

 7番を付けてピッチに登場した伊藤涼は、トップ下で前半の45分間に渡ってプレーした。その時間のなかで、2度、惜しいシュートを放っている。最初は前半7分、中盤で縦パスを受けてドリブルを開始。目の前のDFをかわしてシュートを放ったが枠の左に逸れた。同22分には高い位置でボールを奪ったあと、FW細谷真央のポストプレーからシュートを放ったが、窮屈な体勢から放ったシュートは枠を捉えることができなかった。

 見せ場を作れなかったわけではない。それでも伊藤と同じく代表デビューだったMF奥抜侃志が0-0で迎えたハーフタイムにベンチに下がると、後半で日本は5ゴールを挙げて5-0と快勝しただけに不完全燃焼の感覚が残っても仕方がないだろう。

 ミックスゾーンで伊藤涼は「悔しさが残ります。自分のプレーをそこまで出せなかったです。それでもシュートチャンスはあったのですが、そこを決めきれなかったのは、自分の実力不足なので、アピールできなかったのは悔しいですけど、切り替えて頑張っていきたいと思います。後半に5点が入ったことよりも、自分にチャンスがあって点を取れなかったことの方が悔しいです」と、代表デビュー戦を振り返った。

 積極的にシュートを放っていたが、「目に見える結果っていうのが欲しかったですし、初招集で使っていただいて、何かを残さないといけないという気持ちがすごく強かったので、そこが出なかったのは残念です」と続けた。

「圧倒的な数字を残さないと、ここには生き残っていけない」

 この試合のスタメンでカタール・ワールドカップに出場していたのは、伊東とMF田中碧の2人だけ。DF藤井陽也を含め、3選手が代表デビューであり、一緒にプレーした時間はほとんどない。連係面については伊藤涼も「あまり良くなかったし、自分がボールを受けたいポジションや相手の受けたいポジションを、ちょっと迷いながらプレーした45分でした。もっと伸びしろがあるだろうなという感覚でした」と、難しかったことを認めている。

 後半にチームが得点を重ねていく様子を見ながら、自分もできるという感覚と普段から出ている選手たちの凄さの「どちらも感じた」という伊藤涼は、「自分もできるぞと思っていましたし、もう少し出たかったのが正直なところですが、それは監督の判断なので仕方がないです。自分が与えられた45分のなかで結果を出せなかったことが今日は良くなかった」と、ゴールに絡めなかったことを悔しがった。

 この試合を通じて感じた、これまで代表で出場している選手たちの凄さを問われ、「身体の強さ、1対1の強さ、球際の強さというところは、僕よりもはるか上に感じたので、そこはチームに帰って鍛え直さないといけないと思います」と、自身の課題を挙げた。

「自分的には良くなかったですけど、楽しかった。あっという間に終わりました」という伊藤涼。今後、この時間を長くするためにも代表に生き残らないといけないが、「やっぱり結果。攻撃の選手として、数字のところにこだわらないといけませんし、今ベルギーリーグでプレーしていますが、そのなかでも圧倒的な数字を残さないと、ここには生き残っていけないなと感じました。」と、シーズン後半戦のさらなる活躍を誓った。

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