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英国人ファンが選ぶ今季Jリーグ注目選手 「日本に留まってほしい」と切望する期待の若手は?【インタビュー】
大迫勇也の劇的AT弾は「今季最高の瞬間」
今シーズンも、Jリーグでは数々の名勝負や名シーンが生まれた。「FOOTBALL ZONE」では「Jリーグ通信簿」の特集を展開し、2023シーズンを振り返る。そこで、「J.League Journeys」としてSNSを中心に日本サッカー界の魅力を発信し続ける英国人ファンのクリスさんを取材。注目選手やプレーについて訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治)
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◇ ◇ ◇
■岩尾憲の50メートル超ロング弾
(7月1日/J1第19節/浦和レッズ×サガン鳥栖戦/2-1)
浦和レッズの岩尾憲が鳥栖戦で決めた50メートル超のロング弾には、笑っちゃったね。今季Jリーグ全体の中で大きなトピックではないかもしれないけど、素晴らしいゴールは大好きだよ。当時マンチェスター・ユナイテッド(イングランド1部)に所属していたデイビッド・ベッカムが1996年のウィンブルドン戦でハーフウェーライン付近から決めた有名なロングシュートを彷彿とさせた。岩尾の一撃で浦和は勝利を収めたし、思い出に残る瞬間だったよ。
■大迫勇也、後半アディショナルタイムの劇的弾
(11月12日/J1第32節/ヴィッセル神戸×浦和レッズ戦/2-1)
エンターテインメントの観点で言えば、ヴィッセル神戸の大迫勇也が後半アディショナルタイムに決めた劇的弾は今季最高の瞬間だったんじゃないかな。見応え抜群だったし、神戸の優勝争いを救ったわけだからね。勝利へ100%を尽くした浦和にも敬意を表したい。ただ、あの場面でのGKの攻撃参加は理解しがたく、起こるべきではないことが起きた印象もある。
森脇良太のシャーレアップが英国でも話題に
■三戸舜介の「ベストヤングプレーヤー賞」受賞
(12月4日)
三戸舜介(アルビレックス新潟)にとって今季は素晴らしい1年だったと思う。リーグ戦で4ゴールを決めたほか、パリ五輪を目指す世代別代表にも選出された。日本サッカーの未来は明るく、将来的にはA代表のキャプテンを務められるポテンシャルがあるんじゃないかな。また、Jリーグアウォーズ(12月5日)に出席した際の服装も良かったね。半パン姿に初々しさを感じたよ。僕はこうした個性あふれる選手が好きだし、今後数年でさらに成長してくれることを楽しみにしている。競争力が低いヨーロッパのチームに行くくらいなら、日本に留まってほしい。Jリーグではプレー時間を確保できるし、その恩恵に預かれるはずさ。
■森脇良太のシャーレアップ
(11月11日/J3第35節/愛媛FC×FC今治戦/1-0)
今治に勝利してJ2昇格とJ3優勝を決めた試合後の優勝セレモニーでの、森脇良太のシャーレアップは面白かった。周りが盛り上げたのに最後は華麗にスルーするコメディー満載の瞬間は、英国にいるサッカーファンの間でも話題になったんだ。J3が母国でも報じられるなんて思ってもみなかったから、とても嬉しいよ。現代では、メディアトレーニングなどの影響もあってかサッカー選手のパーソナリティが分かりづらい。だからこそ、森脇の人柄に触れられて良かったし、楽しかった。Jリーグ全カテゴリーで優勝したファンタスティックな功績にも拍手だね。
■大迫勇也のJ 1MVP初受賞&得点王獲得
大迫勇也のJ1の得点王とMVPのダブル受賞は、まさに特筆すべき活躍だったね。年齢が33歳であることや昨年の度重なる負傷を考えれば、今季のパフォーマンスは驚異的とも呼べるものさ。パーソナルトレーナーと身体作りを行ったことで、より強くなってピッチに立っていた。それは、ヘディングだけで5得点を挙げた事実からも分かるとおり。これには驚いたね。優勝を決めた名古屋グランパス戦でも2つ記録するなど、シーズン通して7アシストと、ここにもプレーヤーとしての成長が窺える。得点がなくとも、彼の貢献は大きかったんだ。献身性を本当にリスペクトしたいし、大迫なしで神戸のJ1初制覇はなかったよ。