ライバルを尋ねられて挙げたのは小野・中田・森島の名前

　2022年シーズンで現役生活にピリオドを打った元日本代表MF中村俊輔氏の引退試合が12月17日、ニッパツ三ツ沢球技場で開催された。前半を「YOKOHAMA FC FRIENDS」のメンバーとして、後半を「J-DREAMS」のメンバーとしてプレーし、3本の直接フリーキック（FK）弾を含め、合計6得点を記録した。試合後のセレモニーを終えると、記者会見に出席。現役時代のライバルについて尋ねられると、3人の名手の名を挙げている。

　最後の所属クラブなった横浜FCに所縁のある選手で構成された「YOKOHAMA FC FRIENDS」、日本代表時代に共闘した戦友たちで構成された「J-DREAMS」が対戦。中村氏は前半と後半に分けて双方のチームのメンバーとして出場し、伝家の宝刀である直接FK弾を3本決めるなど、満員のスタジアムを盛大に沸かせた。

　引退セレモニーが行われたあと、記者会見に出席。そこで記者から現役生活におけるライバルとして誰を意識していたかについて質問されると、「若い時はやっぱり伸二でしたね。代表を意識した頃は、ヒデさんでした。今日は来てないですが、森島さんのような動きが自分に足りないと感じていました」と、MF小野伸二氏、MF中田英寿氏、MF森島寛晃の名前を挙げた。

「その3人はいつも意識していましたね。でも、ライバルではないですね。ヒデさんなんて雲の上の存在だったし、伸二は自分にないものをたくさん持っているので。彼らにないものを自分が磨き上げないと、代表では生き残れないと意識してプレーして、そのうちの1つがFKでした。そういう選手たちがいたからこそ、自分は成長できたのだと思っています」

　小野氏はこの日、後半から「J-DREAMS」で出場し、中村氏と共演。中田氏は試合には出場しなかったものの、メンバーリストに名を連ねていなかった中で試合前にサプライズ登場していた。中村氏と言えば、正確無比なキック精度とワールドクラスのセットプレーだが、その特長は名手3人がいたからこそ、光り輝くダイヤモンドとなったのかもしれない。