今季J1助っ人「ベストイレブン」厳選 “大当たり”外国人タレント先発11人の顔ぶれは?【コラム】

今季J1の最強助っ人を厳選【写真:徳原隆元】
今季J1の最強助っ人を厳選【写真:徳原隆元】

J1でインパクト放った「最強助っ人」を厳選

 今季も外国人選手たちの活躍が目を引いたなかで、J1でインパクト放った「最強助っ人」を厳選する。ここではベンチ入りメンバーを含めた18人をセレクト。そのなかで11人のスタメンという形で厳選している。フォーメーションのバランスも多少意識しているので、必ずしもサブの評価=マイナスというわけではないことをご了承いただきたい。また、FWとセンターバック(CB)に関してはタレントが多く、惜しくも選外となった選手がいたことも触れておきたい。

 FWは得点王のアンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス)と浦和レッズからの期限付き移籍で加入しながら一躍、名古屋グランパスのエースに君臨したキャスパー・ユンカーの2トップで文句なしだろう。ロペスが22得点、ユンカーが16得点ということで、2トップだけで38得点という強力ぶりだ。インパクトという意味ではホセ・カンテ(浦和レッズ/8得点)とパトリック(京都サンガF.C./10得点)も負けていない。

 カンテはシーズン開幕してからのチーム合流ということで、フィットまでに時間がかかった事情はあるが、終盤戦には“理不尽砲”とも呼ばれる正確無比なシュートで相手ゴールを脅かした。33歳での現役引退は残念だが、もともと決めていたという最後のシーズンにJリーグを選んでくれたこと、そして楽しませてくれたことに感謝したい。パトリックは京都のジョーカー的な存在として、プレータイム1207分で10得点、90分の平均得点は0.745と、得点王の大迫勇也(ヴィッセル神戸)とA・ロペスをも上回る数字だった。

 両翼は横浜FMの鋭いサイド攻撃を担い、多くの得点シーンを生み出したエウベルとヤン・マテウスをスタメンにした。エウベルは9得点7アシスト、ヤン・マテウスは6得点11アシストと数字も素晴らしいが、起点として絡むシーンも多かった。2人の多くのラストパスをゴールに結びつけたA・ロペスと合わせて、J史上最強クラスの“助っ人トリオ”と言っていい。しかし、高い力と相手ディフェンスに与えた脅威ではマテウス・サヴィオ(柏レイソル)も外せない。

 ボランチはインターセプト力と縦横無尽のプレーを見せたディエゴ・ピトゥカ(鹿島アントラーズ)と質量ともに中盤で抜群だったダワン(ガンバ大阪)の2人を選んだ。ダワンは得点力でも違いを見せており、小柄だがヘディング能力での高さも見せ付けた。チームは16位と低迷してしまったが、ダワンの後半アディショナルタイムのゴールで、川崎フロンターレに4-3の勝利を飾った試合(第22節)はシーズンのハイライトだろう。その川崎で、中盤の底を締めたジョアン・シミッチを頼れるクローザーとして入れたい。

浦和の鉄壁CBコンビ、福岡グローリらの働きぶりは特筆もの

 4バックはアレクサンダー・ショルツ(浦和レッズ)、ドウグラス・グローリ(アビスパ福岡)、マリウス・ホイブラーテン(浦和レッズ)、ジエゴ(柏レイソル)の4人。ショルツは本来CBで同僚のM・ホイブラーテンと並べたいが、ポジションバランスの関係で、終盤何度か担った右サイドバックに回した。守備能力が高いだけでなく、効果的な組み立てができる。相手陣内までドリブルで運んでからの決定的なパスも見物だ。

 D・グローリは3バックの右が多いが、4バックのセンターに配置した。やはり福岡に初タイトルをもたらしたルヴァンカップ決勝での奮闘が印象に残る。M・ホイブラーテンは来日1年目ながら、すんなりと浦和の環境に溶け込んで、シュルツとともにベスト11にも選ばれた。セットプレーの得点力も高く、D・グローリとの“ダブル・ターゲット”は強力だ。

 3枚目のCBは神戸のリーグ優勝をうしろから支えたマルクス・トゥーレル。怪我で外れていた時期もあるが、神戸が一番苦しかった夏場の獅子奮迅の働きが目立った。トーマス・デン(アルビレックス新潟)は自陣からのパスワークを主体とするチームで攻守に輝いた。新潟ではCB専門になっているが、右サイドバックのポリバレントとしても頼りになる。本音を言えば、ここに左利きのエドゥアルド(横浜F・マリノス)も入れたかった。

 左サイドバックのジエゴは大きく期待されながら、怪我で前半戦を棒に振ってしまい、その間に監督が交代。しかし、復帰後はエネルギッシュなプレーで柏を支えた。9月28日に行われた福岡戦ではM・サヴィオのコーナーキックから打点の高いヘッドを叩き込んで話題を集めた。残念だったのはリーグ最終節の一発退場で天皇杯ファイナルを欠場することになってしまったことだ。

 GKは抜群の安定感で名古屋グランパスのゴールを守るランゲラックをファーストチョイスに。2番手はチョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)とキム・ジンヒョン(セレッソ大阪)でかなり迷ったが、天皇杯でのスコアレスドローからのPK戦勝利で、川崎にタイトルをもたらした功績を高く評価して、チョン・ソンリョンを選ばせてもらった。

 このチームを率いるのはケヴィン・マスカット監督(横浜F・マリノス)だ。2年連続で3位のミヒャエル・スキッベ監督(サンフレッチェ広島)、浦和をアジア王者に導いたマチェイ・スコルジャ監督も甲乙つけ難かったが、リーグ戦の順位を素直にリスペクトした。熱意あふれる指導者であるケヴィン監督なら、この個性派の集団を前向きにさせてくれるだろう。

 来シーズンはJ2・MVPのエリキ(FC町田ゼルビア)やベスト11のリカルド・グラッサ(ジュビロ磐田)、ビッグセーバーのマテウス(東京ヴェルディ)などもJ1の舞台に上がってくる。またファンを驚かせるような外国人選手の出現に期待したい。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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