「サッカーで答えを見つけた」 初優勝の神戸、躍進を呼ぶ変化に韓国紙言及「個人に頼るのではなく…」

神戸が悲願の初優勝【写真:徳原隆元】
神戸が悲願の初優勝【写真:徳原隆元】

2022年の選手人件費は48億円超

 2023年シーズンのJ1リーグは、ヴィッセル神戸の初優勝で幕を閉じた。得点王に輝いたFW大迫勇也を筆頭としたチーム力が光ったが、韓国紙も「“スター”ではなく“サッカー”で答えを見つけた」と神戸の変化を取り上げている。

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 神戸は昨季リーグ13位(11勝7分16敗)と苦しんだが、今季は22ゴールの大迫、10ゴールのFW武藤嘉紀のFWコンビを中心に、DF酒井高徳、MF山口蛍、GK前川黛也らが自分の役割を全う。21勝8分5敗の成績を残し、創設29年目でクラブ史上初のリーグ優勝を果たした。

 韓国紙「スポーツ朝鮮」は「ヴィッセル神戸は、“スター”ではなく“サッカー”で答えを見つけた」と見出しを打ち、「神戸の優勝を見る目は『当然だ』と『新鮮だ』の2つに大きく分けられる」と取り上げている。

「神戸は2022年、選手の人件費として48億3900万円を使った。Jクラブ平均の約2倍の支出だ。18年にアンドレス・イニエスタ、19年にダビド・ビジャを獲得したように世界に知られるビックスターの迎え入れに金を惜しまなかった。元日本代表のDF酒井高徳、FW大迫勇也、武藤嘉紀らも相次いで加入。10年前、世界サッカーのトレンドを主導したバルセロナ式『ティキタカ』を導入した。2019年にクラブ史上初の国内三大タイトルである天皇杯優勝、2021年のリーグ3位につなげた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台では蔚山現代、全北現代と対戦した。リーグ優勝も目前に迫っているようだった」

 記事では、「しかし、優勝圏内が近づいたことと、実際に優勝することは次元が違う話だった。神戸にはスーパースターがずらりと並んでいたが、神戸式パスサッカーは通用しなかった」と、その後に神戸が直面した壁、そして今季の躍進につながる変化について触れている。

「2022年は開幕から11試合未勝利、6月までに監督を3回交代し、大きく揺れた。最終順位は13位だった。シーズン途中に赴任した吉田孝行監督は、変化の必要性を感じ、イニエスタを先発から外した。いくら世界的な選手だとしてもコンディションが良くなければベンチに座らせた。強固な守備と速いカウンターでチームカラーを変えるためには、90分間ずっとエネルギッシュにプレーできる選手たちが必要だった。30代後半のイニエスタに活発な攻守の切り替えを求めることはできなかった。結局、神戸は今夏、イニエスタと別々の道を歩むことを選んだ。優勝のためには果敢な決断と大きな覚悟が必要だということで意見が一致した。2022年シーズンに16敗を喫したあと、ベテランたちの口から『下がって守るサッカーをしても負けたくない』という言葉が出てきて、このような覚悟は若手たちにも広がった。個人に依存していた神戸が今季、チームプレーを始めたのだ」

「スポーツ朝鮮」紙は、最後に「神戸が資金力を備えたチームだという事実は見逃せないが、大金を使うチームが無条件に優勝するわけではない。来季のKリーグにもヴィッセル神戸のような『新鮮なチーム』が登場するだろうか」と締めくくっていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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