三笘薫が「ちょっと乗り切らなかった」と悔やんだシーンとは? 決定機逸に「打っちゃったほうがいいかなと」【現地発】

アヤックス戦にフル出場した三笘薫【写真:徳原隆元】
アヤックス戦にフル出場した三笘薫【写真:徳原隆元】

ELアヤックス戦で先発フル出場の三笘、ミルナー負傷に「内容は変わってくる」

 日本代表MF三笘薫が所属するイングランド1部ブライトンは、オランダ1部アヤックスのホームで行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージの試合を2-0で快勝した。

 左サイドハーフでフル出場した三笘はアヤックスの激しいプレスに苦しみながらも、随所に持ち味を発揮し、「勝つことが大事なんで本当に良かったと思います」とアウェーでの勝利を喜んだ。

 左サイドバック(SB)のジェームズ・ミルナーが前半8分に負傷交代するなど、チームは何度も選手交代を余儀なくされるなか、「メンバーが変わって立ち位置だったり、プレーの内容は変わってくるので、それは考えながらやってました。けど、(やることは)大きなことは変わんないですね」(三笘)と、試合後に落ち着いた様子で振り返っていた。

 今季予想外の不振が続き、巻き返しに必死なアヤックス。試合開始直後からハイインテンシティーで主導権を握ろうとするが、ブライトンは組織だった守備で決定機を許さず、徐々にリズムを掴み出す。

 前半19分には三笘がチャンスメイク。中盤で相手ミスを突いてボールをカットすると、そのままドリブルで運んでいく。自分に寄せてくる相手DFと入れ替わるように左へ流れたFWジョアン・ペドロへパスを狙ったがこれは合わず。時間帯的にもまずはシンプルにシュートでも良かったかもしれない。

 相手の密着マークに遭い前を向いてボールを持つシーンをなかなか作れないでいたが、DFからの縦パスをワンタッチでセンターへ流したボールが惜しいチャンスにつながりそうだったり、三笘へのパスをカットしようとしたボールがこぼれて、攻撃の起点が生まれたりもする。

 45分にはもう少しでシュートへ持ち込めそうな場面があった。サイドから中に入っての競り合いで一度は相手にカットされたが、そのまま足を止めずにプレス。その結果、不確実なクリアを誘発し、味方のチャンスへとつながっていった。三笘はそのままセンターに残り、右サイドからのクロスを胸トラップからシュートへもちこもうとする。必死な相手の守りにブロックはされたが、悪くはない関わり方だった。

三笘薫が悔やんだワンシーンとは?【写真:徳原隆元】
三笘薫が悔やんだワンシーンとは?【写真:徳原隆元】

惜しまれるのは後半23分のシーン、抜け出してシュートも枠外へ

 惜しまれるのは後半23分のシーンだろう。カウンターから左サイドを上手く抜け出してスルーパスをもらうと、並走していた味方がいたのでそちらへのパスの選択肢もあるなか、そのままフリーで左足シュートに持ち込んだが、枠を超えてしまった。

「(味方に)正確にパスで決めれば良かったですけど、相手も見えたんで。打っちゃったほうがいいかなと思いましたけど。ちょっと乗り切らなかったですね」

 この日得点に絡むことはできなかったが、過密日程を怪我人が多く出るなかで戦いながら、難しいアウェー戦でしっかりと勝ち点3を取り切ったことは大きい。

 三笘も「もうちょい前半からアクションしたり、前向きのプレスができたら良かったかなと思いますけど。やれることはやったかなと思いますね」と反省も口にしながら、「内容が良くても勝てない試合もありますし、内容悪くても勝ったほうがいいです。とにかく勝ちが必要なんだということだと思います」と総括していた。

 この日の勝利でグループ2位をキープ。時節アウェーでのAEKアテネ戦を乗り切れば、グループステージ突破の可能性が大きく開けてくる。

 取材を終えてスタジアムをあとにした僕は、アムステルダムまで駆けつけたブライトンサポーター一団が嬉しそうにビールを飲んでいる場面に遭遇した。

 1人のファンが僕に手を振ると、振り返って『MITOMA』の名前が記載されたユニフォームを指し、親指を立てて、そしてまた仲間と飲み出した。ファンもこのヨーロッパの旅がまだまだ続くことを望んでいるのだ。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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