プレミアで獅子奮迅…世界を知る冨安健洋が見る対アジアの戦い方 「綺麗なサッカーをやる分にはいいけど…」
16日にアジア予選の初戦となるミャンマー戦を迎える
森保一監督率いる日本代表は11月13日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー戦(16日=パナソニックスタジアム吹田)、シリア戦(21日=サウジアラビア・ジッダ)に向けた合宿を開始した。初日はDF冨安健洋やMF伊東純也ら海外組と追加招集のFW細谷真大、初招集のMF佐野海舟らを含めて13人が参加。所属のイングランド1部アーセナルでも出番を増やしている冨安は、世界のトップで戦う経験をアジア予選でも発揮する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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世界最高峰とされるプレミアリーグの強豪アーセナルで日々戦っている日本のリーダーが森保ジャパンを牽引する。DF吉田麻也やDF長友佑都らベテラン勢が不在となる今回のW杯アジア予選。9月に代表復帰を果たし、3か月連続で招集されている冨安は、9月シリーズ、10月シリーズの4試合で圧倒的な存在感を見せた。日本のリーダーとして、クラブで培った経験を1つずつ還元。「気づいたところは言わせてもらっている。細かいところだとか、スライディングのところとか、セットプレーのところとか……」と、日本の力の底上げを担ってきた。
代表での高いパフォーマンスに比例して、クラブでも信頼を高めて出場時間を増やしてきた。ミケル・アルテタ監督からも称賛されたり、労いの抱擁をされたり関係性もうかがえるが、本人は「まだまだやるべきことはあると思う。継続します」と隙はない。
対アジアでもそうだ。格下が相手とはいえ、W杯予選は何が起こるか分からない。特に初戦、ホームで迎えるだけにスタートダッシュは肝心だ。冨安が思い描く展開もやはり隙はない。
「相手のボックス内にシンプルにボールを入れ続けて、またその二重攻撃、三重攻撃で波状攻撃をかけていくというところは1つ鍵になるかなと思っている。もちろん綺麗なサッカーをやる分にはいいけど、それで怖さがなくなっていては意味がない。やっぱり相手のボックス内にボールを入れて、入れ続けたら何か起きますし、それもただ入れるのではなくてその入れ方だったりその質だったり、またその後のリスクマネジメント、カウンタープレスのところのマネジメントが必要」
ミャンマーはカタールW杯予選でも対戦し、ホームでは10-0の対象を飾った相手。ここまで好調を維持し、6月から6連勝中の森保ジャパンだが、公式戦でもその力を発揮することができるか。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)に出場している選手も多くいるなか、過密日程でのコンディション状態も懸念されるが、冨安が牽引して真価を見せつけるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)