神戸のゴールはオフサイド? 武藤嘉紀のボール関与に代表OB&識者が議論「どっちとも取れる」

神戸でプレーする武藤嘉紀【写真:徳原隆元】
神戸でプレーする武藤嘉紀【写真:徳原隆元】

Jリーグジャッジリプレイで公開

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月21日のJ1リーグ第30節、ヴィッセル神戸と鹿島アントラーズの試合が取り上げられた。ここでは、オフサイドの反則に該当するか否かが議論された。

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 後半38分、神戸はコーナーキックからこぼれ球をMF佐々木大樹が蹴り込んだ。しかし、この時に神戸FW武藤嘉紀がオフサイドポジションにいて、相手選手のプレーに影響を与えた可能性があるとして、西村雄一VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。福島孝一郎レフェリーはオンフィールドレビューを実施したが、当初の判定通りゴールが認められた。

 ゲスト出演の現役時代に松本山雅FCなどでプレーした田中隼磨氏は「シュートを打った時点で武藤選手は、GKとキッカーの延長線上にはいない。昌子選手が目の前にいて、この時点ではオフサイドポジションですけど、GKからしたら武藤選手はあまり影響は与えていないと見た。鹿島の選手も一切抗議していないので、そういうこともレフェリーの判断に影響を及ぼしたかもしれない。もちろん、抗議すればいいというものではないけれども、鹿島の選手にオフサイドという認識はないと思う。武藤選手はボールを避けるような仕草をしているけど、昌子選手の後ろにいたのでゴールでいいのではないか」と、判定を支持していた。

 同じくゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏は「全て言ってくれた通り、シュートを打った時点で武藤選手がボールとGKの同一線上にいない。最後にボールが枠に飛んでいくときには同一線上にいるが、昌子選手の後ろにいる。GKにとって武藤選手がいることが関与に当たるか、影響を与えるかというと、影響はなかったと判断したのではないかと思う。見る角度によっては邪魔になっていないのかと思う難しい判断だと思う」と話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、J1を裁くレベルのレフェリーの間で「意見は分かれると思いますね」というシーンだったとコメント。そのうえで「最終的な結論は得点を認めたが、そうなるとこれまでの日本サッカー協会(JFA)や審判委員会、Jリーグ担当が示してきたオフサイドの解釈が、少しニュアンスが変わったのかなという印象は持つ」と、広い視点で指摘した。

「現場ではフラッグが上がらなかった。ポジションはいいので、武藤選手がオフサイドポジションでGKの近くにいることは副審からも主審からも把握できたと思う。そこでフラッグが上がらなかったので『ん?』と思った。VARが入って結果的にいくつかのアングルを見てゴールを認めた。距離的に近いし、多少動いているのもある。これをオフサイドと解釈するシーンをたくさん見ているという印象を持った。もう1つ影響があるのは、昌子選手がGKの近くにいて、影響があるのはプレーを見た時にそこなのかなと。鹿島からは武藤選手の影響を感じなかった。映像を見ると、どっちとも取れる。過去のことを見ると、オフサイドっぽく見える」

 家本氏は現役時代に、このような場面を得点とするのを推奨する考えだったが、JFAからはオフサイドという見解だったと話す。一方で、「中断期間などで研修などがあれば、このようなことが議論された可能性もある。残り5節前に研修をするようなことも結構ある」と、基準の統一がなされた可能性もあると話した。

 そして、後半アディショナルタイムに鹿島のMF松村優太がゴールした場面ではFW鈴木優磨がオフサイドポジションから前方へアクションしていたがゴールが認められた。それも踏まえ家本氏は「先ほどのプレーとの整合性もある。副審も分かっていて旗を上げず、VARも分かっていて入っていない。先ほどのプレーと合わせるとつじつまが合う。なので、解釈を変えてきたのだろうという印象。細かく見て、相手に影響を与えたのかというのが結果になる。正直なところ、審判委員会から説明を聞きたい。急に残り5節になったバランスが変わったから違和感なのであって、同じ試合の2つのシーンではつじつまが合う」と話していた。

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