「上田や浅野に比べて足りない」 チュニジア戦1ゴールの古橋亨梧、日本代表OBが指摘した課題とは?【見解】

先制弾を決めた古橋亨梧【写真:徳原隆元】
先制弾を決めた古橋亨梧【写真:徳原隆元】

【専門家の目|栗原勇蔵】1トップで先発出場して先制点を挙げるも…課題も露呈

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング19位)は、10月17日に行われたチュニジア代表(同29位)との国際親善試合で2-0と勝利した。スタメン出場したFW古橋亨梧(セルティック)は先制点を記録したが、元日本代表DF栗原勇蔵氏はほかのFWと比較しての“物足りなさ”を指摘している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 10月13日のカナダ戦で4-1と快勝した日本は、チュニジア戦でスタメン7人を変更。前半43分に古橋のゴールでネットを揺らし、後半24分にはMF伊東純也(スタッド・ランス)が蹴り込んで2-0とリードを広げ、そのまま勝利を手にした。

 1トップで先発出場した古橋は、前半11分に敵陣のペナルティーエリア手前で仕掛けてフリーキック(FK)を獲得し、MF久保建英の低空FKをお膳立て。そのほか、久保との連係を見せるシーンもあったが、前半45分間でFW上田綺世(フェイエノールト)と交代になった。

 日本代表OB栗原氏は、「古橋はゴールを取って結果を残しました。そこは評価すべきですけど、1つ気になる点がありました」と課題点を指摘する。

「日本が崩し切った時にはすごくいいポジションが取れると思いますけど、少しズレた時とか、味方が抜いてきて思っていたのと違う方に行った時とかイレギュラーな時に、反応が遅れ気味で絡みづらいのかなと感じました。セルティックはチーム自体が強いので、少し休んでいても、周りが崩してあとはもう自分の間合いで動けばゴールできる癖がついてるのか、オフ・ザ・ボールのところでの貢献度というか、もう少し絡んでもいいかなと。上田とか浅野(拓磨)と比べて足りないと感じました」

 古橋はカタール・ワールドカップ(W杯)前にはサイドで起用されることもあったが、使うなら1トップだと栗原氏は主張する。

「一瞬のキレもあるし、FKを獲得してチャンスも作っていた。ただ、久保がトップ下でいつもと少し違って慣れていないのもあるかもしれないけど、チュニジア戦に関しては物足りなさを感じました。力強さもないし、アフリカ系のスピードがある相手だとスルーパスはなかなか出てこないので、どうしても威力が半減してしまう。上田はゴールに関与していなくても、次のことを考えていると思うし、それは浅野も然り。古橋はどうしても攻撃してきてくださいって感じで構えているから、もしボールを取られた時に1人だけ少し守備のスピードも遅い気がするので、そこは課題だと思います」

 昨季スコットランドのスコティッシュ・プレミアシップの得点王に輝いた実力は折り紙付きだが、日本代表でその能力を最大限に発揮できるだろうか。

栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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