森保ジャパンの「最強布陣」 選手がイメージ、打倒アジアに“超攻撃的3バック”のオプションとは?

日本代表の最強布陣を考察【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
日本代表の最強布陣を考察【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

11月からのアジア予選で日本の戦い方は

 森保一監督率いる日本代表は9月9日にドイツ代表、12日にトルコ代表と対戦。欧州の強敵を相手に連勝するどころか、2試合で8得点する破壊力ある攻撃を披露した。

 そんな日本代表が、11月から挑むのがFIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選だ。長距離移動や過酷な環境もさることながら、南米や欧州のチームと違い、日本を強敵と見做して割り切った戦いをしてくる相手が多いなかで、予選を突破していくことは決して簡単ではないだろう。そういった相手にどんなメンバーで挑んでいくのか。予選に向けて、今回の遠征を踏まえて最強布陣を考察する。(取材・文=林遼平)

  ◇   ◇   ◇   

<GK>
中村航輔

 現状の一番手と言っていいだろう。今回の欧州遠征ではドイツ戦でスタメンを大迫敬介に譲ったが、トルコ戦では先発出場。ファンブルから負傷交代と不運な形により本来のパフォーマンスを発揮できなかったが、6月のペルー戦では安定した守備を見せて勝利に貢献しており、大きな変動はない。もとよりポルトガルで研鑽を積んでいることが評価されており、負傷が心配されるが、怪我なくメンバー入りすれば守護神の座に着くはずだ。

<DF>
菅原由勢
板倉滉
冨安健洋
伊藤洋輝

 ドイツ戦で並んだ組み合わせは、日本の守備陣を新たなフェーズへと突入させるものだった。怪我などによりこれまで1度も日本代表で組むことができなかった冨安、板倉のCBコンビが形成されると、クロス対応や対人守備に加え、ビルドアップでも真価を発揮。ボールをつなぐことと縦への意識を強く持った2人の存在によって、後方からの配球が見違えて良くなった。板倉とのコンビに対して冨安は「お互いに妥協をせず、お互い要求し合ってやることができれば、もう1段階、2段階上のレベルに、ディフェンスだけでなくチーム全体が上がれると思う」と語っており、さらなる改良にも期待できる。

 サイドバックに関しても自身の特徴である積極的な攻撃参加を見せた菅原と、2試合を通して難しい局面こそありながら我慢強い守備を見せた伊藤洋はファーストチョイスで問題なし。最終ラインの安定感は日増しに高まっていきそうだ。

<MF>
伊東純也
遠藤航
鎌田大地
守田英正
三笘薫

 中盤もドイツ戦で起用された5枚を並べる形となる。右サイドはトルコ戦で見事なパフォーマンスを見せた久保建英を起用する手もあるが、伊東のスピードがアジアの舞台で相手の脅威となることは、これまでのアジア予選でも証明済み。逆に久保はゲームチェンジャーとしても重宝できるため、先発、途中出場に限らず重要な存在であることに変わりはない。

 真ん中の三角形は変わらず。立ち位置を含め、自分たちで修正、改善をピッチ内でできることを考えても、いまこの3人を外すことはあまり考えられない。アジアの相手にもピッチでの対応力を見せてもらいたいところだ。

 外すことを考えられないという点では、左サイドの三笘も同様だ。ブライトンや日本代表で圧倒的なパフォーマンスを見せる三笘への警戒は、ドイツですらダブルチームで対応するほどだった。三笘への警戒が強まれば、それだけの別のスペースが空いてくるということ。それほどの選手がいることは、チームにとって非常に恩恵が多いため、三笘も絶対的な存在であることは間違いない。

上田の特徴が生かされたドイツ戦 番外編では打倒アジアの“オプション”攻撃的3バックも

<FW>
上田綺世

 今回の欧州遠征で大きく評価を上げたと言っていいはずだ。これまでは浅野拓磨や古橋亨梧とスタメン争いは平行線だったように感じるが、ドイツ戦のパフォーマンスはかなり見応えのあるものだった。アントニオ・リュディガーやニクラス・ズーレといった強靭なDFに対し、体をうまく預けたポストプレーを見せれば、的確な引き出しとボールキープでポゼッション率を上げることに成功。自身の特徴である動き出しの部分でもゴールも奪った。また、前線からの守備でも何度か決定的なボール奪取をしており、FWに求められるタスクを大いにこなしていた。

 フェイエノールトに移籍後、なかなか出番を得られないなかで、ピッチに立つために新たな変化を自身に課している上田。その効果が代表にも還元されており、アジアの舞台でも違いを示してくれることを期待したい。

<番外編>

 もう1つ、今回の遠征中に守田がアジア予選に向けてイメージしていたオプションにも注目したい。欧州や南米の相手と対戦する時と違い、相手が自陣に引いて圧倒的にボールを保持する展開が予想される中で、3バックシステムを採用し、攻撃時に両サイドが高い位置を取って5トップのような形になるというものだ。

「後ろは3枚プラス、ボランチ1枚の4枚で守れるような形で、前に5枚プラス間に1枚みたいなイメージ。より攻撃的な部分を取りつつ、ちゃんとリスクヘッジもする。そこのプランを持っておかないといけないというイメージが強い」とは守田の言葉。普段の形でなかなか得点が奪えない時に採用するオプションとして、攻撃的3バックも状況に応じて使ってほしいところだ。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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