【天才キッズ】九州の逸材…身体操作と身体の強さが光る小学3年生 遺伝子検査で食事も意識

福岡県在住の小学3年生・甲斐元くん【写真:パウロ吉田】
福岡県在住の小学3年生・甲斐元くん【写真:パウロ吉田】

未来のスター候補生を発掘「BLAZE A NEW PATH~天才キッズを探せ No.73」

 日本サッカー界の未来を担う将来有望な天才キッズを探す「FOOTBALL ZONE」の連載「BLAZE A NEW PATH」(新しい道を切り開く)。謎のスカウトマン・パウロ吉田が日本全国を回って未来のスター候補生を発掘するなか、今回は福岡県在住の小学3年生・甲斐元くんに迫る。(取材・文=パウロ吉田)

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 今回紹介するのは前回に続き福岡県に住む小学3年生の甲斐元(ハジメ)だ。blazeメンバーとなって初めて参加するこの夏のglobal elite camp 大阪においてもその実力を高く評価され、見事に優秀選手に選出された選手だ。

 お父さんは中学・高校とバレーボールをやっていたそうだが、弱小チームで輝かしい成績などはないという。お母さんも中学まではバレーボールをやっていたが、高校から剣道を始めた。練習が厳しい学校だったこともあり、県大会に出場するなど、真剣に打ち込んでいた。

 ハジメにとって母方の祖母は大人になってからさまざまなスポーツに興じ、特に卓球では幾つもの大会で優勝するなど、スポーツが大好きなようだ。父方のご両親は農作業に人生を捧げているような生活で、スポーツは無縁だというが、お母さんは義父の体格、スタイルの良さを指摘する。ハジメは身体の芯の強さを感じる選手で、祖父からしっかり受け継がれているように感じる。

 そんなハジメがサッカーを始めたきっかけは、家の近所だったこともあり、兄がバルサアカデミー福岡校に通い出した際に興味を持ち、本人は年中だったためバルサアカデミーには参加できなかったが、保育園のサッカークラブに参加したことでサッカーを始めることになる。

 元々、身体を動かすことが大好きな子供で、保育園のあとには近所の公園で1周3キロ近くある遊歩道をキックバイク(1歳半くらいで乗れるようなっていた)で2周したりして疲れさせていたほどだ。飲み込みが早く、自転車の補助輪が取れたのも2歳9か月、兄が通っていた体操教室に付いていった際に、みんながやっている逆上がりに誰も使っていない鉄棒で見様見真似に挑戦する姿をお母さんが横目で見ていると、5回ほどでできるようになっていた。

 その後、体操教室にはハジメも通うことになるのだが、同学年の練習だと簡単すぎて面白くなくなってしまい、行きたくない、と言い出し、コーチから一学年上のクラスを勧められた。幼少期は毎週キャンプに行っていたそうで、誰にも習っていない段階で、水に浮くことや泳ぐことにも全く抵抗がなかった。

 ハジメの身体操作や身体の強さはこうして築き上げられたのだろう、ということが窺える。

幼少期から培われた運動能力と本人のやる気が合致しサッカーレベルが向上

 幼少期に公園で母とボール蹴りをしている際には、母の蹴るパスの行先をいち早く予測し、先回りして動いている姿を見て、サッカーに向いているのかな、と感じたことをお母さんは振り返る。のめり込むと徹底的にのめり込むオタク気質だというハジメはどんどんサッカーにのめり込んでいった。

 リフティング1つ取っても、やる!と決めるとできるようになるまで帰ってこないほど、延々とトライを続けていた。幼少期から培われた運動能力と本人のやる気が合致しハジメのサッカーレベルはどんどん成長していった。1年生で出場していた4年生の試合で5人抜きをしてみたり、2年生で出場した試合では4年生の相手に決勝点となるヘディングシュートを決めたり、記憶に残るプレーも多い。

 また、以前の所属チームでは2年生時に5年生の試合にまで出ていたほどだ。その経験があってか、今では自分より身体の大きな相手にも全く臆することなくプレーできている。しかし同学年の選手たちが同時期に多数移籍してしまったこと、ハジメ本人も上の学年での出場よりも、レベルの高い同学年の子たちとともにプレーしたい、という気持ちが強くなり、この春に現在所属の福岡西に移籍することになる。このチームで前回紹介したタクマとチームメイトになることになる。

 ハジメとタクマの出会いは幼稚園の年長時代のアビスパ福岡のセレクションのあるスーパーコースだった。タクマのご両親は当時からハジメの能力の高さには一目を置いていたという。ちなみに今回のglobal elite camp大阪ではハジメ、タクマともう1人、福岡西から参加していた楠輝弘(くすのきあきひろ)くんも優秀選手に選ばれている。レベルの高いキャンプにおいて3名全員が優秀選手に選ばれるということは快挙である。この年代の福岡西には今後も注目したい。

 小柄ではあるが総合的に高い能力を示すハジメ、遺伝子検査により、肉よりも魚が合うということが分かり、なるべく魚中心の生活にしていたり、夏休みは睡眠量を増やしたり、食事を5食にしたり、身体作りも意識している。

 最高のライバルでもある仲間たちと切磋琢磨し、九州から全国にその実力を知らしめてくれるはずだ。

撮影協力:PRIDE BASE / プライドベース @福岡
URL: https://www.priderun.net

天才キッズ「プロフィール&1日のスケジュール」

【プロフィール】※2023年8月現在

甲斐 元
(HAJIME KAI)

生年月日:2014年5月18日
出身地:福岡
身長・体重:128.5センチ・28.5キロ
足のサイズ:21センチ
ニックネーム:はじー
サッカー歴:4年
所属
チーム:福岡西フットボールアカデミー
スクール:ファベーラフットサルスクール、キャスクスピードトレーニング
憧れの選手:ロナウジーニョ、ポール・ポグバ、ペレ

【1日のスケジュール】
6:45 起床、バナナやプロテインなど軽食
6:50~7:10 コーディネーショントレーニング、ボールタッチ、
7:10~7:35 朝食
7:40~ 登校
14:50 帰宅 
14:50~15:20 宿題
15:20~16:00 リフティング、ドリブル、アジリティー、兄弟と1対1(その時にハマっている練習に重点を置く)
16:00~16:10 スクールorチーム練習の準備
16:20~16:55 車移動 車内にて食事、昼寝
17:00~19:15 チーム練習
19:20~19:55 車で帰宅、車中にて夕食
19:55~20:40 荷物の片付け、入浴、ストレッチ、歯磨きなど
20:50~21:00 就寝

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パウロ吉田

パウロ・ヨシダ/世界65か国以上を旅するクリエイティブアスリート。多様なスポーツに精通し、それらを実践している。日本の体育教育をカルチャーに変えるべく、さまざまな競技にさまざまな角度から刺激を与えている。好きなサッカー選手はジョージ・ウェア。

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