なでしこJのW杯8強「期待以上の結果」と米賛辞 4年後の“躍進”へ「未来は非常に明るい」

なでしこジャパンは準々決勝で敗退【写真:ロイター】
なでしこジャパンは準々決勝で敗退【写真:ロイター】

女子W杯ベスト8でスウェーデンに敗戦、4強入り逃すも大会中の戦いぶりに高評価

 なでしこジャパン(日本女子代表)は、8月11日に行われた女子ワールドカップ(W杯)の準々決勝でスウェーデンに1-2と敗戦。惜しくも4強入りを逃したものの、今大会でのパフォーマンスに対する評価は根強く、米メディアは大会前の下馬評を覆しベスト8入りを果たしたチームが持つ可能性に注目している。

 日本は決勝トーナメント1回戦までの4試合で14得点1失点と快進撃を見せたが、FIFAランク3位の強豪スウェーデン戦では序盤から劣勢に展開に。迫力ある相手のプレスに手を焼いたなか、前半32分にセットプレーの流れから先制を許すと、後半立ち上がりには不運な形のPKで2失点目を喫した。

 交代カードを使い反撃に出た日本は後半29分、FW植木理子がPKを獲得も、自ら蹴ったシュートはクロスバーを直撃。徐々に流れを引き寄せたなかで、同42分にMF清家貴子のクロスがこぼれたところに走り込んだMF林穂之香が蹴り込み1点差に詰め寄るも、あと一歩及ばなかった。

 2021年の東京五輪・準々決勝で1-3と敗れたスウェーデンにまたも屈した日本。それでも8強前までの4試合で披露した戦いぶりに対する評価は決して低くはない。スウェーデン戦での敗北を受けて米スポーツ専門局「ESPN」は「今大会で最もエキサイティングなチームの1つでなかったと主張する人はほとんどいないだろう」と伝えている。

 同メディアは、準々決勝のパフォーマンスを「スウェーデン戦の1時間ほどを除けば、彼女たちはいつもと違って躊躇し、精彩を欠き、消極的でさえあった」と指摘。本来のパフォーマンスから程遠い戦いぶりだったことを挙げつつ「W杯を沸かせた日本だが、2023年はまだその時ではなかったのかもしれない」と、女王に返り咲くには時期尚早だったと綴っている。

 一方で、大会前の下馬評を覆し、快進撃を続けた日本を「期待以上の結果を残し、準々決勝に進出した」と評価。さらに、今大会に臨んだメンバーの平均年齢が24.9歳である事実に目を向け、「経験豊富な選手たちがトロフィーを目指して完璧に準備されているわけではない」とし、躍進の可能性に注目している。

「ブレイクしたスター、宮澤ひなたと遠藤純はまだ23歳で、藤野あおばは19歳で池田太監督の先発メンバーに定着した。女子W杯で準々決勝敗退という悲運に見舞われたとはいえ、日本の未来は非常に明るい。2023年は日本の時代ではない。2027年はまだ可能性がある」

 今回のW杯でベスト8敗退となったなでしこジャパンは今後、来年のパリ五輪、さらには、4年後のW杯での好成績を目指して歩みを続ける。2011年W杯後、黄金期を築き上げた日本の低迷ぶりが近年、国内外で叫ばれてきたが、その声を払拭する期待値を残して大会をあとにした。

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