サウジリーグの脅威に元英代表FWが警鐘 選手たちにも苦言「正直にお金のためだと言ってほしい」

アル・ナスルでプレーするクリスティアーノ・ロナウド【写真:徳原隆元】
アル・ナスルでプレーするクリスティアーノ・ロナウド【写真:徳原隆元】

セルティックOBサットン氏がサウジ移籍の選手たちへの思いを語る

 今夏の移籍市場では多くのトッププレーヤーたちが、サウジアラビア1部リーグへの移籍という選択をした。スコットランド1部セルティックも、ポルトガル人FWジョタを引き抜かれる形になったが、クラブのOBである元イングランド代表FWクリス・サットン氏は、スコティッシュ・プレミアシップだけでなく、イングランドのプレミアリーグにも脅威になると警鐘を鳴らす。スコットランドメディア「The Scotsman」が報じた。

 セルティックに加入して2シーズンで公式戦83試合28得点26アシストを記録したジョタは、今夏の移籍市場でサウジアラビア1部アル・イテハドと3年契約を結び、スコットランドを離れた。スペイン1部レアル・マドリードのフランス代表FWカリム・ベンゼマを筆頭に多くの選手がサウジアラビアに新天地を求めたが、サットン氏は中東の脅威について口を開いた。

「私は、ジョタの移籍は大きな損失になると考えている。サウジのリーグは、とても危険なものになるだろう。最初はスコットランドのリーグだけの話だと思っていたが、プレミアリーグにも影響が出ている。32、33歳のジョーダン・ヘンダーソンや、キャリアの晩年のロナウドやベンゼマがそこへ行ったことはいい。

 だが、元ウルブス(ウルヴァーハンプトン)のルベン・ネヴェスのような若い選手が行ったことは、考えないといけない。サウジのリーグはスコットランドのリーグからは、簡単に引き抜けるかもしれない。これは問題だ。なぜなら、私たちは最高の選手たちがすべてそちらへ行くことを望んでいないからね」

 リーグのレベル低下を懸念したサットン氏は、さらに言葉を続ける。「選手たちには、正直に『そこに行くのはお金のためだ』と言ってほしい。彼らがサウジのリーグを愛しているから、子供のころからサウジのリーグを見て、サウジのタイトルを欲しかったからではないとね。そういうものだとは理解している。ジョタが行った理由も理解できる」と本来の理由も理解していることを述べた。

「もしかしたら、彼はより良い選手になって戻ってくるかもしれない。サウジのリーグがどれだけ競争力が高いか、私は知らない。だからその基準については何も言えない。だが、若い選手たち、これから最盛期を迎える選手たちには、お金のためだけにそこに行くことは、無駄になると感じている。だが、なぜそうしたかは理解できるよ」

 難しい心境を明かしたサットン氏。さまざまなリーグに散る選手たちの今後を心配していた。

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