酷暑の日本ツアー、王者クラブの指揮官たちはどう捉えた? 「文句を言っても仕方ない」「現役時代だったら…」

バイエルンのトーマス・トゥヘル監督とシティのジョゼップ・グアルディオラ監督【写真:徳原隆元】
バイエルンのトーマス・トゥヘル監督とシティのジョゼップ・グアルディオラ監督【写真:徳原隆元】

世界的スターの来日は日本にとって嬉しいものだが…

 昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝の再現となったドイツ1部バイエルンとイングランド1部マンチェスター・シティの対戦が、7月26日に国立競技場で行われ、CL初優勝を果たしたシティが2-1で勝利した。

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 今回の対戦は、2023-24シーズン開幕前のプレシーズンマッチ。23日にもJ1横浜F・マリノスと対戦していたシティに対し、バイエルンは来日したばかり。時差ボケも湿度の高い日本の暑さにも順応できていない状態だった。

 日本のファンからすれば、普段はなかなか生で見ることができない世界トッププレーヤーたちのプレーを見られる貴重なチャンス。この試合も立ち上がりから、世界各国の代表選手たちが見せるプレーに、感嘆の声やどよめきが起こる場面が少なくなかった。

 その一方で、普段は欧州の舞台でプレーしている選手たちにとっては、シーズン開幕前の大事な時期に、普段と異なる環境で準備を進めることは少なからぬ負担になっているだろう。この時期にプレシーズンのツアーを行うことの是非について、バイエルンのトーマス・トゥヘル監督とシティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、それぞれ見解を語った。

 まずトゥヘル監督は、「文句を言っても仕方ない」と切り出し、「ヨーロッパのトップクラブが夏にツアーを行うのは、通常のことになっている。私たちはそこに適応しないといけない。日本は時差もあり、気温も暑い。それでも期待されているプレーのレベルを出さなければいけない。日本に来ることができたのは光栄だが、一方でスポーツの側面ではトレーニングの質と量、フィジカル的な準備を整えるという点でも理想的とは言えない。だが、これはもう何年もやっていることだ。現代サッカーの一部であり、この経験を最大限に生かしたい。ここに居られることは光栄だし、最高の経験ができている」と、最後は前向きに語った。

 一方のグアルディオラ監督も「現役時代だったら、間違いなく『こういう状況ではトレーニングができない』と文句を言っていただろう」と、選手の立場としては難しいことを認めた。「だが、私も年を取ったから、このツアーの必要性を完全に理解している。こうした環境に適応しなければいけないし、今日のようなビッグゲームを楽しまないといけない。35度だろうが、何度だろがね。それに彼らはシーズンで60試合を戦うような選手たちだ。暑いと分かったのであれば、そのなかでできることをしないといけない。もちろんツアーにはビジネスの側面もある。受け入れて、ニコリと笑い、負傷なく帰るのがベストだ」と、続けた。

 昨シーズン、CL、プレミアリーグ、FA杯の3冠を達成したシティは、この後、韓国にわたり、そこからマンチェスターに戻る。8月7日にはコミュニティ・シールドのアーセナル戦が控えている。

 グアルディオラ監督は、「しっかりとメンタリティーを保ち、マンチェスターに戻ってから1週間で整え、最高のコンディション、トップフォームにもっていく。普通のことだ。コミュニティ・シールドに出られるということは、チャンピオンの証であり、名誉なこと。昨年は負けたが、ベストな状態でなくても勝てるようにしたいし、楽しまないといけない」と、シーズン最初のタイトル獲得への意気込みも口にした。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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