東京V城福監督、J2のアクチュアルタイム分断行為に疑問視 「我々もサッカー界を支えている」

東京Vを率いる城福浩監督【写真:Getty Images】
東京Vを率いる城福浩監督【写真:Getty Images】

町田戦後の持論展開、「時間を分断する行為が多い」J2リーグの現状を懸念

 7月9日に行われたJ2リーグ第25節のFC町田ゼルビア対東京ヴェルディの首位攻防戦は、大きな注目を集め、スタジアムには38,402人が観戦に訪れた。この数字は今シーズンの町田のホームゲームで最多となっていた5月21日の第17節・清水エスパルス戦(2-1)の10,444人を大きく上回る集客数となっている。

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 試合も首位と2位による首位攻防戦にふさわしい、見応えのあるゲームとなり、町田が2点をリードしたものの東京VもMF染野唯月が2ゴールを挙げて2-2の同点に追い付いて試合は終わった。

 試合後の監督会見で悔しさを露わにしたのは、東京Vを率いる城福浩監督だった。「正直、勝ちたかったです」と切り出し、「2点を先に失いましたけれど、サッカーをやっていれば、必ずチャンスはあると思っていました。相手はとにかく倒れて、もうやれないかと思うくらい痛がって、そしてプレーする。これを繰り返されるなか、選手たちはよく辛抱したと思います。我慢強く自分たちのサッカーをやり、追い付いたからこそ、サッカーで勝ちたかった。サポーターの力も非常に多くのサポーターが来てくれて、彼らの力も感じました。無念でしかないです」と、勝ち点差10がある首位の町田の戦い方を疑問視するとともに、勝てなかったことを悔しがった。

 2点ビハインドで迎えたハーフタイムに指示したことを問われると、「我々はサッカーをやり続けること。とにかく相手は休みたい。あらゆる手段を使って、アクチュアル(プレーイング)タイムを短くしたいと思っている。我々はとにかくボールを動かして、アクチュアルタイムを長くする。それに徹しようとする。それには幅を使わないといけないし、自分たちが目指すエリアに入っていかないといけない。分断された時間を、我々は自分たちでは絶対に分断しない。簡単にクロスを上げない。何回も崩します。そういうところを強調しました。とにかく焦れるなと」と、ボールを動かして相手の体力を削ることを徹底したと明かした。

 試合終盤には町田の足が止まったが、この狙いがハマッたとも言えるだろう。だが、城福監督は「勝てなかったので、成功体験という単語は使えないかもしれなませんが、首位の町田さん相手に2点取り返せたことは自信にしていいと思います」と言い、J2全体の戦いぶりについても疑問を呈した。

「我々が戦っているステージのなかで、時間を分断する行為が、自分が戦ってきたなかでものすごく多い。相手によって、自分たちがリードしているか、リードされているかによって、極端に違うチームとほとんど変わらないチームがあります。我々は後者だと思いますが、変わらないチームのほうが少ない。我々はJ2もサッカー界を支えている一因だと思っているので、サッカー界をどういうふうに下支えしていくか、レベルアップしていくか、天皇杯でもJ1を凌駕していくかを考えると、サッカーのクオリティーを我々はすごく問題視している。常に選手たちには『我々は、我々の道を歩む』というふうに言っています。アクチュアルタイムを比べていただければ、ご覧になっていただければ分かると思います」と強い言葉で訴えた。

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