選手に求められる競技規則への“順応性” 変化激しいハンド判定にラモス氏も見解「ルールに合わせて…」

G大阪の福岡将太のスライディングタックルのシーンについて議論【写真:Getty Images】
G大阪の福岡将太のスライディングタックルのシーンについて議論【写真:Getty Images】

G大阪DF福岡のスライディングタックルのシーンについて議論

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、5月14日のJ1リーグ第13節、浦和レッズ対ガンバ大阪(3-1)の試合が取り上げられた。スライディングタックルでクロスを抑え込みにいったところでのハンドの判定が議論の対象になっている。

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 前半42分、浦和はFW興梠慎三がゴールライン近くまで進出してマイナスのラストパスをFWブライアン・リンセンに向けて出す。そこにG大阪のDF福岡将太がスライディングでのブロックを試みたが、左足に当たった後に自分の体を越えていこうとするボールと左腕が接触。池内明彦レフェリーは当初反則としていなかったが、先立圭吾VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の進言でオンフィールドレビューが行われ、ペナルティーキック(PK)の判定となっていた。

 ゲスト出演した元日本代表DF都並敏史氏は「ディフェンス泣かせのシーン。僕の中ではハンドではない。ペナルティーエリアの中でハンドをしたいDFはいない。後ろに手を組んでスライディングをすれば肩やひじの関節を痛めてしまうので、ハンドにしてほしくない」と話す。

 一方の元日本代表MFラモス瑠偉氏は、「リンセン選手が手に当たらなかったら決められた可能性がある。難しいけど、わざと出しているわけではないけど。気の毒」と話した。また都並氏はスライディングの際の足の角度によってボールが跳ね上がりやすいなど、技術的な部分も指摘していた。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「今のレフェリーサイドの競技規則の解釈で言うと、仕方がない。意図は本人に聞かないと分からないので、その文言は競技規則からなくなった。ただ、この番組でいつも言いますが、タックルはプレーというより身を投げる行為なので色々な反則が起こるリスクがある。競技規則では手を大きくするような行為があった時はハンドと解釈されるともされているので、ダブルでリスクを抱える。今の競技規則の文言と解釈では、2つのリスクを負った結果で浦和の大きなアタッキングチャンスを阻止してしまった」と見解を話した。

家本氏「選手サイドは理解するしかない」、ラモス氏も「ルールに合わせて、付き合っていかないと」と意見

 家本氏は選手の気持ちにも理解を示しつつ、「選手サイドは理解するしかないですよね、リスクはあると。支え手の文言はなくなったけど、逆側の手なら『まだ、これは』となるが、ここ(手前の腕が上がった位置)だと、致し方なしですよね。もっと低い位置にしてかほかの根元ならともかく、この位置だと今のレフェリーはほとんどハンドにすると思う」と話す。また、柏レイソルと横浜FCのゲームで、似たような場面で柏にPKを与えられた場面も紹介された。

 家本氏は現役時代に、上の役職から「人間の行動として普通だが、競技規則にはそう書かれていない。どういう状況なのかだけで判断しろとされているから、言うことは分かるけど、そう理解するしかないよ」というコメントを受けたエピソードも紹介。都並氏は「白バイの警官みたい」と笑わせたが、ラモス氏は「今の選手たちは、だいぶ前からルールが変わっているのに、どれだけスライディングをしないで対応できるか、読みが浅いから全部遅れてスライディングでいっている。プレミアリーグもみんな立っていって、スライディングしない。ルールに合わせて、付き合っていかないと」と、ルールにプレーを順応させるべきという観点で意見していた。

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