浦和スコルジャ監督が挑むチーム“再構築” ACL優勝で整った次へのステップ「変化をもたらしやすくなった」

浦和を率いるスコルジャ監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
浦和を率いるスコルジャ監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

リーグ制覇へ向けて再出発、ACLを終え動きやすい現状にも見解

 J1浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は5月12日のトレーニング後のオンライン定例会見で、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝を終えて「チームにより変化をもたらしやすくなった」と今後の変革に意欲を示した。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 浦和は昨年まで2シーズンを前任のリカルド・ロドリゲス氏が率い、ACL決勝に進出。5月6日の決勝第2戦でアル・ヒラル(サウジアラビア)に1-0で勝利した浦和は、アウェーでの初戦を1-1で引き分けたのと合わせて2戦合計の勝利でACL優勝を成し遂げた。

 これで3回目のアジア制覇となり、ほかにも天皇杯やルヴァンカップといったカップ戦に強さを見せる浦和だが、リーグ戦は2006年の1回しか優勝できていない。16年には年間の勝ち点でトップになったが、当時の2ステージ制に泣いた。

 スコルジャ監督はポーランドでリーグ戦を4回制した実績を持つだけに、リーグ戦を勝ち取るために必要な要素を「まずは安定性だと思う」と指摘する。「できるだけ高いパフォーマンスを年間通して維持することだ。そして、1年の中には、例えば今がそうであるように、難しい状況がある。そのなかでのスタッフのマネジメント能力も問われる。そして2、3週間連続で勝ち点を取りこぼすことがあれば優勝を目指すのは難しくなる」と続けた。

 スコルジャ監督が難しい状況と話したのは、今月10日のJ1リーグ第10節サガン鳥栖戦だ。ACL決勝から中3日のゲームだったが、指揮官はスタメン変更を4人にとどめた。しかし、終わってみればパフォーマンスは不十分で0-2の敗戦。それだけに、14日のガンバ大阪戦の重要度が増した。

 スコルジャ監督は「現在、重要なのは正しいスタメンを選ぶこと。身体的、メンタル的な疲労、怪我などを考慮したうえで明日の練習後に決めたい。鳥栖戦が終わった後に、より多くのフレッシュな選手を使っていても良かったのかなと、そう発言した。明日の練習をしたうえで、メディカルからも情報をもらって判断したい」と話している。

「勝利に飢えたハングリーな状態を作り直さないといけない」と新たに気を引き締める

 シーズンの前半戦で大きな目標にしていたACLを終えたことで、本来ならシーズンの最初から腰を据えて取り組みたかった棚上げした部分にも手をつけられるだろう。指揮官は「チームにより変化をもたらしやすくなったと思う。例えばシステムにもいろいろなアイデアが出ている。そういうことは今後、試していくことになるだろう」と話す。

 そして「また、勝利に飢えたハングリーな状態を作り直さないといけない。選手たちにも繰り返し言っているのは、ピークに達するのも難しいが、ピークに居続けるのが(より)難しいということ。監督としてチームを観察し、チームが受け身にならないよう、気を抜かないようにする難しい仕事をしないといけない」と険しい表情で話した。

 例を挙げるなら、スコルジャ監督体制の始動直後にはダブルボランチについて「8番が2人というイメージでやりたい」と話していた。それは攻守に絡む万能型の選手を並列させるようなニュアンスが感じ取れるが、今の時点ではMF岩尾憲あるいはMF平野佑一がプレーメーカーとしてハッキリする形でプレーしている。そのような部分にも変化が加わるのか、あるいは「練習でもアタッキングサードでの形をたくさんやっている」と話す攻撃パターンの増加があるのか。ここから、新たなフェーズに入ることは間違いないだろう。

 いずれにしても、スコルジャ監督は「結果を残さなければいけないということは忘れずにやっていきたい」と話している。ACL決勝を見据えてチームをブラッシュアップしてきたのと同様に、今度はリーグ戦を戦いながら変化を加えていく手腕が注目されることになりそうだ。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング