浦和、アジア王者へのキーマンは2列目の日本人アタッカー 新たな主人公の誕生に期待

(左から)関根貴大、大久保智明、小泉佳穂【写真:徳原隆元 & Getty Images】
(左から)関根貴大、大久保智明、小泉佳穂【写真:徳原隆元 & Getty Images】

浦和は6日にアル・ヒラルとの決勝第2戦をホームで迎える

 浦和レッズは5月6日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第2戦で、アル・ヒラル(サウジアラビア)との決戦に臨む。すべての選手がキーマンと言えるようなタイトルマッチだが、2列目の日本人アタッカーたちが主人公の座を手にすることができるかどうかに注目したい。

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 浦和は現地時間4月29日に行われたアウェーの初戦を1-1で引き分けた。FW興梠慎三のアウェーゴールはわずかにアドバンテージをもたらしているが、アル・ヒラルの強さを感じたゲームになったのも事実だ。特に先制点を奪われたことも含め、立ち上がりの15分から20分までは自陣に閉じ込められてほぼ何もさせてもらえなかった。

 そうしたなかで、浦和は前進の風穴を開けた。ボランチの1枚までプレスに参加する相手に対し、DFアレクサンダー・ショルツが正確な縦パスを入れると興梠がポストプレー。これを受けたトップ下のMF小泉佳穂がサウジアラビア代表MFカンノをフェイントで鮮やかに外して興梠にラストパスを供給。決定機になりかけたところで相手のブロックに遭ったが、浦和には勇気を与え、アル・ヒラルには冷や水を浴びせるプレーだった。

 浦和はGK西川周作を最後の砦にして、最終ラインから前線まで組織的な守備がかなり整備された。それはこの第2戦でも、ある程度まで計算できるだろう。ただし、自陣に閉じ込められたジリ貧状態になれば厳しくなる。

 大会公式サイトの集計データで、軒並みパス成功率が50%前後の低い水準に押し込まれた浦和の中で、小泉はトータルで89%の成功率を記録。デュエル勝率も勝ち越し、インターセプトも2本記録するなどチームを支えた。確かに自陣で肝を冷やすようなボールロストがあり、スコルジャ監督も「失点場面以外にもビルドアップの際にイージーなミスがあった。そこをなくすのは重要な要素になる」と言及したが、小泉が相手ブロックの隙間を見つけてボールを引き出すことができるかは、浦和が安定感のある試合運びを実現できるかどうかに大きく関わるだろう。

 そして、両サイドハーフも日本人のMF大久保智明とMF関根貴大の起用が見込まれる。大久保はデータ会社「オプタ」による集計で、昨季のJ1で最もドリブル成功率の高かった選手。そして関根には2019年の決勝でアル・ヒラルに敗れたゲームからのリベンジの強い思いがある。

 小泉も含めた2列目の3人は、今季の公式戦でまだゴールがない。スコルジャ監督は彼らについてゴール以外での貢献、アシストもあればプレスの献身性などゲームを機能させる部分やハードワークを高く評価している。しかし、この決勝戦では彼らに試合を決める1プレーに関わることも期待したいところだ。そのままのスコアなら優勝という0-0のまま時間が進めば、1失点で全てを失うプレッシャーがのしかかる。初戦でゴールを決めたエース興梠は厳しいマークを受けるだろう。その時に2人目のストライカーとしてゴール前に飛び込んでくる、あるいは鋭い突破で敵陣を切り裂く、思い切りの良いミドルシュートでゴールを撃ち抜くプレーを見せ、このゲームの主人公の座を射止める選手が2列目のトリオから出てくるかどうかは大きく戦況を左右する。

 このACLでは、昨年夏に埼玉で集中開催だった東地区決勝トーナメントの3試合すべてで、浦和は前半に先制点を奪ってペースを握った。このホームでの決戦でも、同じ展開に持ち込むことが望まれる。大久保は「相手が得点を取りに来るところもあるが、僕らも得点を取りにいく姿勢を見せるのが大事だと思う。ホームアドバンテージもあるので、最初の勢い、入りで一発ガツンといって相手をビビらせることができればいいし、先制点にもこだわりたい。そこで取れれば、あとは埼スタが勝たせてくれると思う。僕らも0-0は考えていないし、僕自身は点を取ることを考えている。圧倒したい」と力を込めた。

 3選手とも、今季のリーグ戦では決定機を逃した場面があった。しかし、このゲームで決めればそれらの印象もすべてひっくり返る。確かに両ゴール前の主役である西川と興梠は2017年の優勝メンバーでもあり、頼りになる存在なのは間違いないが、ここで新たな主人公が誕生してアジアチャンピオンの座に導く光景にも大きな期待が懸かる。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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