森保ジャパンで引責発言、主将DF吉田麻也が“舞台裏”回想 「監督もビックリしたと思う」
カタールW杯最終予選で飛び出した“覚悟のコメント”に後悔の念
ドイツ1部シャルケの日本代表DF吉田麻也は、元日本代表DF内田篤人氏とスポーツチャンネル「DAZN」の番組「内田篤人のFOOTBALL TIME」で対談し、日本代表のキャプテンの重責について語った。
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2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)後、ドイツ1部フランクフルトのMF長谷部誠が日本代表を引退。そのあとを継ぐ形で、吉田がキャプテンに就任した。その経緯について、吉田は打診があったタイミングについて「最初の招集の時じゃないかな」と振り返り、森保一監督に「ちょっとおいで」と呼ばれて「はい!」と応じたという。
そして、そこで「キャプテンをやってもらおうと思っている」と打診され、「はい。全力で頑張ります。終了」と、非常に短いやり取りだったことを明かしている。その後、長谷部に連絡した際にも「おまえなら大丈夫だよ、頑張れ。以上」と、短くエールを送られたという。
森保監督に信頼され、長谷部に太鼓判を押されて務めた日本代表キャプテンという重責だったが、吉田は「間違いなく、選手として、大人として、(幅が)広がったし、人間として成長できたなと間違いなく思います」と語った。
内田氏は「難しかったですか?」と聞くと、吉田は頷き、その理由を説明した。
「周りを気にしないといけないけど、選手って結局は自分のパフォーマンスありき。自分のパフォーマンスがあってのプラスアルファ、それ以外のところでのコメント力であったり、存在感。影響力を与える存在っていうのはあるけれど、そっちばっかりに注力し過ぎると、足もとが疎かになる。『いつも言っているけど、そもそもダメじゃない』と思われると、一気にリーダーシップ力が失われていく。そこでの選手としての評価を高めないといけない。そこのバランスが難しかった」
カタールW杯のアジア最終予選では、序盤に2敗を喫した。サウジアラビア戦(0-1)の試合直後のインタビューで、吉田は「協会、監督。そして選手も責任を取る覚悟ができていると思えば、終わってから判断してもらえればいい」と発言。吉田はこの発言を後悔したと近しい人たちに打ち明けていたという。
「周りの人たちに言っていたけど、本当に後悔したからね。あれ、多分、監督もビックリしたと思う。監督と協会の人はね。『協会、監督も』って勝手に言っちゃったから、『なにコイツは勝手に言ってんだ』と思ったと思う」と、勢いで口にしていたことを明かした。
その後、無事にW杯出場権を獲得した森保ジャパン。キャプテンの重責に加え、自らが発したコメントの責任もあっただけに、吉田にとってはひと際、大きな安堵の予選突破になったのだろう。