フランスの名DFがFIFAを批判 人種差別対策特別委員会の解散は「大きなショック」

テュラム氏が願う継続的な議論 「人種差別が重要なことでないと宣言したようなものだ」

 かつてフランス代表の一員として地元開催の1998年ワールドカップを制した名DFリリアン・テュラム氏が、FIFAが人種差別対策特別委員会を解散したことに対して「ショックだ」と語り、その対応を批判している。フランス紙「レキップ」が報じている。

 同委員会は2013年に当時のゼップ・ブラッター会長の下でスタートしたが、先月にFIFAが「一時的な任務を完遂した」とし、解散を文書で通達していた。

 テュラム氏はこの件について「大勢の人々に影響を与えることができる重要な組織が、現代においてこの仕事をやり終えたと言い切ったことは大きなショックだ。FIFAは人種差別がもう重要なことではないと、宣言してしまったようなものだ」と話しているという。

 そして、テュラム氏は自身で立ち上げている基金を使用して、引き続きサッカー界での人種差別撲滅運動に協力していくことを明らかにしたという。

 ブラッター氏の金銭スキャンダルなど汚職問題で世界中から非難を浴びたFIFAだが、前任者の色がついた事柄は内容を問わず問答無用で切り捨てていくのは危険な行為だろう。テュラム氏は継続的に、人種差別問題が議論されていくことを願っているようだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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