1年でのJ1復帰へ、J2清水の春季キャンプに密着 「最善で最強で最良のチーム」に向けて準備着々

「得点王」を目標に掲げているディサロ燦シルヴァーノが磐田戦でゴール【写真:下舘浩久】
「得点王」を目標に掲げているディサロ燦シルヴァーノが磐田戦でゴール【写真:下舘浩久】

【番記者コラム】鹿児島市内で10日間のキャンプを実施

 昨シーズンは5月末に平岡宏章監督を解任。残り18試合でゼ・リカルド新監督を招聘し残留を目指したが、残り試合で勝ち点を奪い切るチャンスが何度もありながらJ1から降格した清水エスパルス。2016年以来2度目となるJ2リーグをどう戦っていくのか。1月26日から2月4日の10日間で行われた18年連続18回目となる鹿児島市内での春季キャンプに密着した。

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 強烈な寒波が日本列島を襲い鹿児島市にも雪が積もるなか、キャンプイン前日には空港から市内への高速道路が通行止めとなり、キャンプ日程の前半は時折雪が舞う近年では一番の寒さ厳しいキャンプとなった。初日の練習は空港から直接練習グラウンドである「鹿児島ふれあいスポーツランド」へ移動したが、高速道路は復旧していたが、雪の影響で先に清水を出発した用具トラックが鹿児島に到着することができずに選手たちと一緒に飛行機で鹿児島入りしたスタッフが持ち込んだボールを使用して鹿児島でのキャンプがスタートした。

 昨年よりも10社ほど減ってしまったが、それでも数多くの横断幕が掲げられたグラウンドでは約1時間ボールを奪い合い、リカルド監督からは「集中力を切らさない!」とゲキが飛ぶほど移動疲れを感じさせないインテンシティーの高い練習が行われ、「清水での練習で第一段階のコンディション作りができ、キャンプは第二段階。さらに情報を共有し、コンディションを上げ、我々の戦い方を強固にする。最善で最強で最良のチームを作る」と練習後に指揮官は話した。

 2日目は午後3時からの練習となったが、このキャンプ一番の寒さからなのか、チームの意気込みからなのか予定時間よりも10分早く練習をスタート。ほぼフルコートでの10対10ではリカルド監督が今シーズのチームに求める「ボールを丁寧につなぐ」ことを意識したゲームとなった。極寒のなか、途中で何度もプレーを止めるリカルド監督の熱のこもった指導は約1時間半続いた。

 立田悠悟、片山瑛一、原輝綺、ヴァウドという主力DFが移籍したが、名古屋グランパスから吉田豊、柏レイソルから高橋祐治、北爪健吾が新加入。V・ファーレン長崎への期限付き移籍から復帰した2年目の菊地脩太や新大卒の監物拓歩、落合毅人という若手も揃い新たな最終ラインが形成されることになる。

 山室晋也代表取締役社長は「ここ数年続いている低迷の原因追究に努める」と降格後に出されたメッセージに記したが、あれから3か月が経過しているが具体的な低迷の原因の公表はしていない。しかし、最終ラインの選手の入れ替えが行われたということは、クラブとしては少なくとも昨シーズンはそこが低迷、降格の原因だったと考えての補強となったのだろう。

下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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