“失明危機”に陥ったデウソン神戸の松本光平、サッカーとフットサルの“二刀流”での苦悩とは? 茨の道も「知ってもらうことが大事」

ロービジョンフットサル日本代表の強化指定選手としても活躍している松本光平【写真提供:ロービジョン】
ロービジョンフットサル日本代表の強化指定選手としても活躍している松本光平【写真提供:ロービジョン】

「知らなかった」ロービジョンフットサルの日本代表で活躍 秘める思い

 現在はロービジョンフットサル日本代表の強化指定選手としても活躍している松本。アイマスクをするブラインドサッカーとはまた違い、GK以外の選手全員が視覚障がい者であるものの全盲ではない。まだまだ認知度は低く、松本自身も「自分が視覚障がい者になるまで知らなかった」という。そのなか、所属するクラブチームでは日本選手権で優勝に導き大会MVPに選出されるなど、結果を残している。デウソン神戸でプレーしながら、ロービジョンフットサルにも情熱を注げるのは、スポーツする楽しさを目に障がいを抱える人にも知ってもらいたいという思いがあるからだ。

「僕も目を怪我するまではブラインドサッカーしか知らなくて、ロービションフットサルがあるということすら知らなかった。そこを知ってもらいたい。目に障がいを抱えてスポーツできなくなってしまった人の中には動きたくても、動けない人がたくさんいると思う。目が見えなくても、スポーツをする場があるんだよというところを知ってもらえたらいいなと思っている」

 ある日突然松本の運命は変わった。だが、その世界に光をもたらすために松本は行動し、挑戦している。これからもその姿勢は変わらない。自身のため、そして誰かのために松本はピッチで戦い続けるはずだ。

[プロフィール]
松本光平(まつもと・こうへい)/1989年生まれ、大阪府大阪市出身。セレッソ大阪ジュニアユースでは柿谷曜一朗と同期で、高校時代はガンバ大阪ユースに所属。高校卒業と同時にイングランドの名門チェルシー下部組織でプレーした。ニュージーランドの強豪オークランド・シティなどで活躍し、2019年にはオセアニア王者ヤンゲン・スポールでクラブワールドカップに出場。22年からFリーグ・デウソン神戸でプレーしている。

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