昌平キャプテン、物議を醸した“辛辣発言”の真意とは? 胸中を告白「嘘つきと思われるのではないかと…」

試合後に発したコメントを振り返る津久井「チーム内にとどめておくべきでした」

 少々辛辣なのは「お前らのせい」だけで、ほかは愛情の発露と言える言葉ばかりだ。

「正直なところ、お前らのせいで負けたなんて思っていません。あんなことを言いましたが、ここまで来られたのは1、2年生のおかげです。インターハイも後輩たちが本当にいいプレーをしてくれて、外で見ていて泣きそうになりました」

 津久井は昨夏のインターハイ、大津(熊本)との準々決勝で前半15分過ぎの右コーナーキックに攻め上がった際、右足首を負傷。じん帯断裂と脱臼という全治3か月の大怪我を負った。

 大勢の報道陣を前にして、ドレッシングルームでの発言を正直に話したことを失言と受け止めている。

「メディアの人たちに話す内容ではなく、チーム内にとどめておくべきでした。後悔しています。反省もしています」

 これは言い訳でも抗弁でもなく、津久井の人柄と人間性があの発言に至ったようだ。

「自分が喋っている時、ロッカーにテレビカメラが入っているのを知ったのは最後のほうでした。テレビに流れると思い、取材場でロッカーと違ったことを話したら、嘘つきと思われるのではないかと、ロッカーで話したことを記者のみなさんにもそのまま伝えました」

   ◇   ◇   ◇

 鹿島アントラーズへ加入した津久井は1月5日夜に入寮。チームは6日から始動したが、怪我が完治しておらず、1週間後の検査結果で合流できるか判断するという。「鹿島のサッカーに早く慣れ、徐々に試合に絡めたらいいですね」と気持ちを新たにしていた。

(河野 正 / Tadashi Kawano)



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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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