2002年W杯出場の元中国代表DF、日韓との“差”に嘆き節 「自信をなくす」「遠い道のり」

北京国安の育成副総監である楊璞氏が日韓の躍進と中国との差について言及【写真:ロイター】
北京国安の育成副総監である楊璞氏が日韓の躍進と中国との差について言及【写真:ロイター】

日韓W杯にも出場したヤン・プー氏が中国の課題に言及

 カタール・ワールドカップ(W杯)は、アルゼンチン代表の36年ぶりの優勝で幕を閉じた。ベスト16に駒を進めた日本代表と韓国代表のほか、サウジアラビア代表がアルゼンチン代表を破るなどアジア勢が躍進した大会でもあった。中国1部の名門・北京国安の育成副総監である楊璞(ヤン・プー)氏が中国サッカー専門誌「足球報」で、日韓の躍進と、中国との差について語った。

 1978年生まれのヤン・プー氏は、現役時代に北京国安一筋でプレー。中国が唯一W杯に出場した2002年の日韓大会にも代表選手として出場している。

 ヤン・プー氏が「カタールW杯で最も印象的だった試合」は、日本が大金星を挙げたグループリーグ第1戦のドイツ代表戦だという。

「ドイツは前回のロシアW杯でグループリーグ敗退だったから、今大会は入念に準備したと思う。ドイツは喧騒を避けるためか、試合会場から100キロ離れた場所でキャンプをした。だが、結果的に油断はあったようで、特に1点リードした時のDF(アントニオ・)リュディガーの守備動作を見るとそう感じる。私は講習中でドイツ人講師と観戦していたが、講師もドイツの油断を指摘していたし、ドイツメディアの批判も大きかった」

 インタビュアーから決勝トーナメントに進出した日本と韓国のパフォーマンスが中国に示すものはあるか、と尋ねられると、ヤン・プー氏は育成面の課題を指摘している。

「日本と韓国の決勝トーナメント進出は順当だと思う、近年は順当に本大会へ出場し、多くの選手を欧州リーグに輩出している。欧州5大リーグに限らずとも、代表クラスはほぼ欧州にいる。私はまず育成の観点からこの問題を考えたい。私が見たデータでは、日本は約400人が欧州リーグでプレーしている。デュッセルドルフに拠点があり、東南アジアにもたくさん選手がおり、アジアを統治している感じだ。我が国にとっては遠い道のりだ。日韓のパフォーマンス見ると、自信をなくす。差は明らかだ」

 実際に世界を舞台に戦った数少ないOBであるヤン・プー氏の言葉は、中国サッカー界にとって重みのあるものになりそうだ。

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