【W杯】日本代表、強敵ドイツ戦の「攻略ポイント」 サウジの大金星が証明、グループ初戦へ“引きすぎ厳禁”

ドイツ代表の予想布陣【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
ドイツ代表の予想布陣【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

キミッヒ、ギュンドアンらを擁する中盤への徹底したプレッシャーが重要

日本にとってはショートカウンターの回数を増やすほど得点のチャンスが増えると同時に、ドイツの攻勢を削ぐことが可能だ。しかし、ドイツは中盤のMFヨシュア・キミッヒ、MFイルカイ・ギュンドアン、MFレオン・ゴレツカともに技術が高く、ポジション取りもうまい。ただ、バックラインのビルドアップと違って、中盤には徹底してプレッシャーをかけることが重要になる。

前の4枚は今回のFW陣で唯一のポストプレーヤーであるFWニクラス・フュルクルクが怪我の影響で、少なくとも初戦はベンチスタートになりそうだ。そうなるとFWユスファ・ムココにしても、FWトーマス・ミュラーにしても、2列目から長身のFWカイ・ハフェルツが上がるにしても“ゼロトップ”気味になる。中央は忙しくなくなるが、センターバックは圧力を受けにくいので、高い位置のパスをトリガーに、ボランチとセンターバックの間を狙ってくるアタッカーを柔軟に捕まえていきたい。

ここまでの試合でも分かるように、前半に得点が入るかどうかで試合の流れは大きく変わり得る。前半スコアレスだと、そのまま0-0で終盤まで行って、両者ともにクロージングにかかる傾向も出ている。ただ、ドイツは基本、日本から勝ち点3を奪って2試合目のスペイン代表戦を良い流れで迎えたいはず。その裏返しで日本がドイツの背後を狙えれば、やや距離のあるカウンターからゴールを奪える可能性も出てくる。

今大会は後半アディショナルタイムが長いという特徴もある。同点だとあまり大きく影響はしていないが、どちらかがリードしている場合にスリリングなシーンが増えている。そうしたことも念頭に入れながら、森保一監督が90分+長いアディショナルタイムをどう想定して終盤の指示や選手交代をしていくかも鍵になるかもしれない。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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