ライバル関係の先に見据える切磋琢磨 Jリーグ10年目のファン・ソッコが韓国と日本の未来に馳せる想い
【インタビュー】Jリーグ歴10年で感じてきた日本の成長、そして韓国との“差”
J1サガン鳥栖の韓国人DFファン・ソッコは、現在Jリーグに所属する外国籍選手では3番目に長い日本10年目を迎えている。Jリーグ、中国リーグ、韓国代表でプレーした経験を持つ熟練のセンターバック(CB)に、日本と母国の違いやライバル関係について訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全3回の3回目)
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母国・韓国の大邱大を卒業後、韓国1部Kリーグを経ず、日本のサンフレッチェ広島でプロキャリアをスタートさせたファン・ソッコは、「韓国と日本のライバル関係を見ながら育った」という。
A代表4キャップのなかで日本との対戦はないものの、2012年のロンドン五輪では3位決定戦で韓日戦を経験し、フル出場で銅メダル獲得に貢献した。韓国の選手たちの中にも、日本との一戦は特別な思いがあると話す。
「日本戦は自然と力が入りますし、絶対に負けてはならない戦いになります。しかし、ここ数年は高いレベルで競争ができていないように思います。アジアを代表する両国なので、日本代表に負けないように韓国代表にも頑張ってもらいたいです」
韓国はフィジカル、日本はテクニックに長けているという一般的なイメージがある。ただ、ファン・ソッコによれば、韓国サッカー界も近年は技術が強化されており、その一方でかつてのフィジカルや勝負強さが損なわれてしまうことも懸念している。
「日本のみなさまが思い浮かべる韓国人選手のイメージと言えば、『よく走る』『気持ちが強い』『フィジカルが強い』だと思いますが、時代も変わってきて技術的な部分も向上してきています。ですが、どちらかに針を振りすぎると歪みが生じる可能性があります。韓国人選手が本来持っているフィジカルと勝負強さを失わず、そこに技術、戦術的な要素が加われば韓国サッカー界も大きく成長すると思っています」