森保ジャパンのW杯メンバー26人入り考察 “消去法”から導き出す期待の秘密兵器は?

左ウイングの人材決定に苦戦中

 残りのMF/FWで分かりやすいのは、伊東純也(スタッド・ランス)のところに堂安律(フライブルク)、久保建英(レアル・ソシエダ)に代えて三笘薫(ブライトン)を投入するという形だろう。また、守田英正(スポルティング)か遠藤航(シュツットガルト)に代えて田中碧(デュッセルドルフ)が入るのも間違いなさそうだ。

 さらに忘れてはならないのは、ここまで重宝されてきた原口元気(ウニオン・ベルリン)。ウイングでもインサイドハーフでもボランチでもプレーして、さらに兄貴分としてチームをまとめている。チームにとって必要な選手と言えるだろう。

 大迫のバックアップは誰か。起用回数で言えば古橋亨梧(セルティック)や上田綾世(セルクル・ブルージュ)が考えられるが、森保監督が大切な一番で起用してきた浅野拓磨(ボーフム)ではないか。日本代表スタッフによればリハビリは順調に進んでいるということで、間に合いそうだ。

 また9月のアメリカ戦を見ると、前田大然(セルティック)が守備において非常に高い貢献度を見せた。得点に絡む部分においては物足りなかったものの、前線に足の速い選手を置けば相手守備ラインを下げることができる。古橋が日本代表ではかみ合っていないため、守備の点を買って前田が入るのではないか。

 ここまで選んだ選手で23人。今回はあと3人選べる。

 となると、森保監督がこれまで何度も信頼を口にしてきて、調子が悪そうに見えても起用してきた2人の選手、南野拓実(ASモナコ)と柴崎岳(レガネス)が入る可能性が高いと読んだ。その2人を加えたうえで、もう1人選べる。

 その1人が「サプライズ」になる可能性が高い。それは誰になるか。

 現在、最も人材発掘に苦労しているポジションは左ウイングと言えるだろう。南野は本来の位置ではないため苦労したし、久保はまだ試し始めたばかり。三笘は今のところ途中投入のほうが効果的にプレーしている。

■W杯アジア最終予選と6月の4試合、9月の2試合で起用された左ウイング
・南野拓実:9回
・三笘 薫:9回
・原口元気:3回
・浅野拓磨:3回
・古橋亨梧:3回
・前田大然:1回
・中山雄太:1回
・久保建英:1回
・相馬勇紀:1回

 考えられるのは、1トップとしても起用できる古橋を左ウイングとして選ぶことだが、古橋が実際に左ウイングでプレーした時には効果的なプレーはできなかった。ということで、一気に相馬勇紀が俎上に上る。相馬はE-1選手権で活躍し、9月も存在感を出して日本代表に選ばれるかもしれない。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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