「レーブの頭脳」  24年ぶりのW杯優勝を目指すドイツ代表最強スカウティング

「(昨年)10月16日のブラジルW杯予選、対スウェーデン戦を例に説明しましょう。まず、直前の相手の情報を得るために、4日前のスウェーデン対オーストリア戦を観に行きました。 どんなときも相手の直前の試合は必ず観に行く。それがスカウティングの第一歩です」   今の時代、映像であらゆるデータを取捨選択できる。わざわざ現地に赴く必要性があるのだろうか。   「もちろん、われわれはすでにスウェーデンについて多くの情報を持っています。しかし、大事なのは試合直前のチームの雰囲気です。一体感を持って戦っているか、プレーはどのくらい激しいのか、どの選手の調子が良いのか等々、現場で分かったことを書き留めていきます。   もう一つ、現地に行く理由は、戦う前にその国のことを理解する必要があるからです。国の文化や国民性が分かれば、代表チームがどんなプレーをするのか分かります。06年ドイツW杯では、コスタリカとエクアドルと同じグループになりました。コスタリカに行くとどこかスイスのようで、平和で楽しいサッカーをしていた。エクアドルは空港からホテルに向かう間に3回も強盗に遭い、プレーもアグレッシブでフィジカルを前面に押し出したものだった。スタジアムに行けば、より国民性が理解できる。私たちは現地で見る生きた情報を、非常に重視しているのです」   意外な言葉だった。数値や映像データも重要だが、自分の目で見て判断する、極めてアナログなマンパワーが必要だったとは。   「足で運んで得た、生きた情報がデータをより生かしてくれる。そうして本当に役立つ情報になるんです」  

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