J1へのステップアップ候補生「J2タレント」7人 パリ五輪世代のホープ、“二桁得点”のエースFW、在籍3年目のバランサーら厳選

鈴木海音、山田陸、髙橋利樹【写真:Getty Images】
鈴木海音、山田陸、髙橋利樹【写真:Getty Images】

【識者コラム】来季J1移籍も? J2タレントを独自で厳選

 2022年シーズンのJ2リーグは最終盤を迎え、すでにアルビレックス新潟がJ1昇格を決定。2位横浜FCもトップカテゴリーへの復帰まであと一歩のところまで迫っている。3位から6位の4クラブが参加するJ1参入プレーオフ圏争いも気になるなか、印象的なパフォーマンスを見せ、J1へのステップアップも期待できるタレント7人を筆者の視点から独自選定で紹介する。

 なお、すでに昇格を決めた新潟と昇格濃厚の横浜FCの選手は対象外。J1での出場経験ない、あるいは、少ない選手を優先した。プレーオフ圏内のクラブは自動昇格の可能性を残すファジアーノ岡山も含めて、チームと一緒に昇格するケースも想定している。
(※成績は10月15日時点)

■山田 陸(MF/ヴァンフォーレ甲府)
リーグ成績:39試合1得点

 J2では二桁順位に沈みながらも、天皇杯ではJ1の猛者を次々と撃破して、ファイナルまで進出した。そんな甲府の中盤を仕切るのが山田だ。大宮アルディージャユース出身だが、J3での経験を経て、甲府3年目。ビルドアップ能力が高く、ディフェンスの間やワイドに顔を出して、縦パスやワイドのパスでチャンスの起点を作る。球際に対するこだわりも強く、味方がボールを失っても即時奪回につなげる。バランサーでもあり、直接フィニッシュに絡むケースは少ないが、攻め上がってのミドルシュートに磨きをかければ、甲府の大先輩であるMF稲垣祥(名古屋グランパス)のようになれる期待も。

■髙橋利樹(FW/ロアッソ熊本)
リーグ成績:38試合13得点

 プレーオフ圏内に躍進して注目を集める熊本。大木武監督が掲げる独自のパスサッカーで仕上げ役を担うのが髙橋だ。ここまでJ2で4位の13得点を挙げている。細かいパスをつなぎながら、選手がどんどんポジションを入れ替えていくなかで、髙橋は前線で深みを取りながら、最高のタイミングで味方からのラストパスを引き出せるように心掛けているようだ。ボックス内でのワンタッチシュートは絶品。ヘディングシュートも得意だが、単純にディフェンスと競り合うより、一瞬でマークを外してクロスに合わせるのが上手い。J2のFWと言えば24得点を記録している小川航基(横浜FC)が注目されるが、24歳の髙橋もこれから伸びしろが期待できるタレントだ。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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