森保ジャパン、発足後招集全122人リストから考察するW杯への“第1次選考” MF/FWに必要な人材は?

奥川雅也はメンバー入りドラマをめぐる悲喜こもごものドラマの象徴例の1人

 4年間で多くの選手が試されたのだが、運のない選手もいた。このリストの中で最も不幸な選手は奥川雅也ではないだろうか。2020年11月7日、堂安律がクラブ事情で不参加になったこともあり、初招集されることになった。

 ところが、翌8日に当時奥川が所属していたザルツブルクで新型コロナウイルス検査を行ったところ、奥川を含まない6選手に陽性反応が出る。9日に再度チームで検査を行うと、全員が陰性になった。だが、JFA(日本サッカー協会)はザルツブルクで陽性の疑いがある選手が多数出たことを考慮し、万が一ほかの選手に感染することがあってはいけないと10日に招集見送りを決めたのだった。

 ほかにも負傷などのため参加を辞退し、その後はタイミングが合わなかったのか招集されていない選手がいる。新型コロナウイルスの影響が代表キャリアを邪魔したケースがあり、また逆にチャンスを掴んだ場合もあった。そう考えると、このリストの名前にも悲喜こもごものドラマがある。

 年齢で目立つのは、GKやDFでは1980年代生まれの選手がまだまだ代表チームの常連メンバーとして活躍しているのに対し、MF/FWでは入っていないこと。逆にMF/FWでは若い選手が次々に試されている。

 おそらくこの122人の中から55人が選ばれ、さらにそこから26人に絞られる。その第一段階の前に提言しておきたいことがある。それは55人にはMF/FWのベテラン勢を含めておいたほうがいいということだ。

 森保監督の求めるサッカーには攻守においてスピードが求められる。そのため年齢の高い選手は体力的に不安があるかもしれない。だが、今回の大会からは交代選手が5人使える。つまりフィールドプレーヤーの半分を入れ替えられるのだ。つまりスタミナの心配をする必要はなくなるのではないか。となれば、勝負のツボを知っているベテランは調子がよければメンバーに入れておいたほうがいいだろう。

 なお、最後にこれまで森保監督がトレーニングパートナーとして選んでいた選手がどうなったかを振り返っておこう。これまでトレーニングパートナーをつけたのは2回。2018年12月のアジアカップ前と、2022年1月の日本代表候補合宿だった。

■2018年12月 アジアカップ前のトレーニングパートナー
DF 菅原由勢(名古屋U-18)
DF 小林友希(神戸U-18)
MF 三笘 薫(筑波大学)
MF 伊藤洋輝(磐田)
FW 旗手怜央(順天堂大)
FW 上田綺世(法政大学)
※( )の所属は当時

■2022年1月 日本代表候補合宿トレーニングパートナー
GK 北川 空(流通経済大)
DF チェイス・アンリ(尚志高)
MF/FW 佐藤恵允(明治大)
※( )の所属は当時

 2018年に選ばれた選手を見ると、その後順調に成長しているのがよく分かる。今回のワールドカップではU-19日本代表がトレーニングパートナーを務めることになっているが、その選手たちもすぐに成長して、4年後の日本代表の主軸になっているに違いない。

森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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