日本代表の先発総入れ替えはやりすぎ? 「巧い、速い、強い」の選手分類に見る編成問題…機能不全の一因は“強度”不足

5人交代のカタールW杯、日本は攻撃陣4人をすべて入れ替えてしまうつもりでは

 ロシアW杯のチームも、「巧」の特徴しかない選手が起用されていた。柴崎だけでなく香川真司がそうで、長谷部誠、大迫勇也も含まれるかもしれない。デュエルやインテンシティーを重視していたヴァイッド・ハリルホジッチ監督も長谷部を重用していて、「強」を特徴としない大島僚太や中島翔哉も欧州遠征で起用していた。全員に強さは必要ではないかもしれないが、強度を軸にしたチームにしたいならやはりそれなりの人数は要るはずである。

 エクアドル戦では鎌田、遠藤、上田綺世を投入した後半に盛り返した。ターンオーバーといっても、W杯本番で全員取り替えるつもりはないと思う。せめて前半は鎌田や遠藤を起用して、途中で交代したほうが本番を想定したテストができたのではないか。

 カタール大会は初めて5人交代が認められる。すでにJリーグを含む各国リーグも5人交代を採用していて、カーレースのタイヤ交換のように60分ぐらいで2、3人を入れ替える交代策がよく行われている。日本の場合、おそらく攻撃陣の4人はすべて入れ替えてしまうつもりではないか。強度を保つには、1人や2人よりも3、4人ぐらい一気に代えてしまったほうが効果もある。1人は負傷者用にとっておかなくてはならないとしても、5人の交代枠はたぶん使い切るプランだろう。欧州遠征の2試合ではっきりしたように、日本にとって強度は生命線になるからだ。

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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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