未知の世界でゼロからスタート なぜ東大元JリーガーはIT業界でのセカンドキャリアを選んだのか

サッカーで培ったスキルを第2の人生で活用【写真提供:SAPジャパン】
サッカーで培ったスキルを第2の人生で活用【写真提供:SAPジャパン】

選手時代に培った「オーナーシップ」と「コミュニケーション能力」を第2の人生で活用

 そして、もう1つが「コミュニケーション能力」だという。自分1人だけですべてをこなせるわけではないというのは、ビジネスとサッカーで共通している部分。そこには当然、協調性が求められるという。

「コミュニケーション能力、それはチームワーク力とも言えるかもしれません。自分の気持ちをしっかりと伝え、お互いの目標を共有して、それを達成するためには何をすればいいのかを理解すること。そういうところで人間関係を調整する力はサッカー選手時代に磨かれたと思います。営業も1人ではできないので、営業チームというものがあって、それをマネージしなければいけません。そういう意味では(ビジネスとサッカーに)つながる部分があると思います」

 久木田が今の仕事に就いたのは2020年の4月。世界に新型コロナウイルスの脅威が蔓延し、日本では最初の緊急事態宣言が発令された頃だ。「(コロナ禍の影響で)採用がストップしたという話も聞いていたので不安もあった」というなかでの転職活動だったが、SAPへの就職はトントン拍子で決まった。経営コンサルタントにも興味を持っていたなかで、SAPを選んだ決め手は何だったのか。

「とにかくビジネスのことが何も分からないというなかで、まずはお客さまに一番近いところにいたいと思いました。(大学時代に専攻していた)都市工学も面白かったですが、デジタル業界を選んだのは今後伸びていく分野で、不可欠なものになるということを感じていたから。デジタルトランスフォーメーション(DX)なんて言葉も当時はよく分かっていませんでしたけど、今はその中身についてもだいぶ理解することができました。グローバルを見ても、今は以前まで力を持っていた企業ではなく、テック・ジャイアンツと言われるような企業の価値が高くなり、多くの利益を上げています。そういう最先端の業界に行きたいと思って(SAPを)選びました」

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