冨安健洋の右サイドバック起用、森保ジャパンで実現 “本職”の酒井宏樹が称賛「参考になる部分多い」

日本代表DF冨安健洋【写真:Getty Images】
日本代表DF冨安健洋【写真:Getty Images】

前半はセンターバック、後半はアーセナルで定位置の右サイドバックとしてプレー

 日本代表は9月23日にドイツ・デュッセルドルフでアメリカ代表と国際親善試合を実施。2-0で勝利した試合の後半はDF冨安健洋が右サイドバックを務めた。

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 冨安はイタリア・セリエAのボローニャで評価を高め、昨季からイングランド・プレミアリーグの名門アーセナルでプレーしている。基本的には右サイドバックが主戦場となっているが、代表チームではセンターバックを務めることが多かった。

 それは昨季までフランスの名門マルセイユでプレーし、現在は浦和レッズのDF酒井宏樹の存在が大きい。東京五輪でも酒井がオーバーエイジとしてチームに加わったため、冨安が右サイドバックを務めるオプションは実現してこなかった。

 しかし今季は酒井にも負傷が多く、今回の活動も8月にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントで右下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れがあったところから復帰した直後。酒井は森保一監督から「試合前に言われていた。怪我明けですし、今無理するところではないと」ということで、予定通りにハーフタイムにベンチへと下がった。そこで投入されたのがDF伊藤洋輝で、冨安が右サイドバックにスライドした。

 森保監督は試合後の記者会見で「彼はご存じの通り所属チームでサイドバック。そこをオプションとするか分からないが、そのまま使うこともオプションにすることも、今回のシリーズで試すのが1つと考えた。彼が6月に怪我でプレーできない状態でなければ、6月に試したと思う。チームの戦い方の幅を広げるために色々と探る交代だった」と意図を明かした。

 6月の代表活動4試合を冨安、酒井のいずれも負傷で欠場していたため、テストは本大会2か月前の9月までずれ込むことになったが、冨安は安定感のあるプレーだけでなく試合終盤に3バックへと変更した時には右のストッパーとして強みを出した。酒井もまたセンターバックに近い高さと強さを発揮できる選手であり、所属の浦和でも試合中にそうしたポジションに入ることもある。いずれにしてもスムーズなシステム変更が可能になるだろう。

 酒井は冨安について「彼に関しては何もないし、僕が出て中3日でトミ(冨安)が出るなんていう素晴らしいチョイスはない。そういうことができれば決勝トーナメントでもフレッシュな選手が出られる。年下だけど参考になる部分も多い。良い刺激を与えあってやっていければ」と、強度の高い試合が連続する本大会を良い状態で乗り切っていくという点でも期待を込めた。

 冨安がサイドバックに入ることで、センターバックに左利きの伊藤が入ることの利点を生かしやすくなる可能性も広がる。このアメリカ戦は、右サイドバックの起用法について1つ大きな収穫があったと言えそうだ。

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