森保Jの国内組、W杯メンバー「当落」予想 欧州遠征組の8人…秘密兵器になり得るタレントは?

欧州遠征に帯同する国内組を調査【写真:高橋 学】
欧州遠征に帯同する国内組を調査【写真:高橋 学】

【識者コラム】欧州遠征に帯同する8人、現時点の評価&本大会メンバー入りの可能性を考察

 カタール・ワールドカップ(W杯)に向けたメンバー選考前の最後の活動ということもあり、森保ジャパンのドイツ遠征には総勢30人が招集され、8人の「国内組」が参加している。彼らの現時点で想定される評価と本大会メンバー26人に選ばれる可能性を考察する。

■権田修一(GK/清水エスパルス) 
本大会メンバー入りの可能性:80%

 メンバー入りはほぼ確実。2009年12月に初招集されてから12年。ようやく正GKとしてW杯を迎えるチャンスが巡って来ている。おそらくシュミット・ダニエルと一番手を争う位置付けだが、今回だけでも4人が招集されており、若手の谷も伸びてきていることを考えると、まだ当確ランプまでは付けられない。2日目の合流ながら、すぐに本格的なトレーニングを川島永嗣らと行っている。ただ、公開された2日目のミニゲームにはシュミットと谷が入っていたこともあり、起用されるのがエクアドル戦(9月27日)である可能性もある。

■谷 晃生(GK/湘南ベルマーレ)
本大会メンバー入りの可能性:40%

 昨年の東京五輪で守護神としてベスト4進出を支え、湘南で試合を積み重ねながら、さらに安定感のあるGKに成長してきているのが見て取れる。大迫敬介、鈴木彩艶というE-1選手権の若手三人衆を代表して招集されたような格好だが、現時点で4番手であることは否めない。2試合しかなく、これまでの実績から考えると起用されないまま活動を終える可能性も考えられるが、練習から下田コーチや森保監督の評価を高めて、出場チャンスを勝ち取れるか。

■酒井宏樹(DF/浦和レッズ)
本大会メンバー入りの可能性:85%

 激闘だったACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)の影響もあり、怪我での欠場が心配されたが、Jリーグでもしっかりと復帰して最終選考前の活動に漕ぎ着けた。彼の場合は一にも二にもコンディションだが、2日目の練習ではファーストセットと見られる組で右サイドバックを務めており、アメリカ戦から出番を得ることは濃厚だ。クリスチャン・プリシッチ(チェルシー)とのマッチアップが予想されるが、縦よりもカットインがメインになる相手に対人の強さだけでなく、柔軟性を見せられるか。

■山根視来(DF/川崎フロンターレ) 
本大会メンバー入りの可能性:80%

 もう最終メンバーに残るのは当然のこと、W杯の舞台で試合に出て勝利に貢献できるかが焦点になってきている。アジアとも違う国際試合で、自分の良さをいかに出せるかをテーマに置くが、「自分の特長はリスクをかけるところにある」と山根。ポジショニングには酒井と違った持ち味がある。右のサイドバックというポジションでは第一に守備が求められる。クロスを上げさせないという仕事は強く意識しているようだが、それだけでは欧州組を含めたライバルを押し退けて、代表に招集されている真価を示すことはできない。同サイドからチャンスを与えずチャンスを作ることがどこまでできるか。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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