「タケはレギュラーに値する」 ソシエダ久保建英、現地記者の“リアル評価”は? 「最も速く、俊敏さが際立っている」
【スペイン発コラム】開幕戦に続きバルセロナ戦も先発した久保、現地紙評価は“及第点”
今季のリーガ・エスパニョーラ開幕戦、カディス相手に新天地レアル・ソシエダの一員としてスタメン入りした久保建英。プレシーズンでのテストなしでFW起用されるも、「どんなポジションでも対応する準備はできている」と試合後のインタビューで自信を窺わせたように、イマノル・アルグアシル監督の「裏を狙え」の指示に見事応え、決勝点を記録してチームを1-0の勝利に導いた。
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幸先の良いスタートを切ったチームは続く第2節の今季ホーム初戦で、大型補強を敢行している強豪FCバルセロナと対戦。久保は古巣相手にも先発出場を果たし、開幕戦同様、4-4-2の2トップの左でプレーした。
ソシエダはキックオフ直後、相手ペナルティーエリア内で久保がファウルを受けたかに見えたが流され、そのままロベルト・レバンドフスキに先制点を許す苦しい展開に陥った。しかし気落ちすることなくすぐさま反撃し、前半6分に久保とダビド・シルバによる前線からの激しいプレスでフレンキー・デ・ヨングからボールを取り返し、アレクサンデル・イサクが同点弾を決め、試合を振り出しに戻した。
その後は堅固な守備でバルセロナの攻撃を抑え込み、同27分にミケル・メリーノのシュートがテア・シュテーゲンに弾かれたこぼれ球に久保が素早く反応。左足でゴールを狙うも、惜しくも逆転ゴールを決められなかった。
前半、互角以上の戦いをしたレアル・ソシエダは後半開始後もその流れを維持した。そして同8分にブライス・メンデスのフリーキックが直接入るも、そのボールに飛び込んだロビン・ル・ノルマンがオフサイドを取られノーゴールとなった。
その後はイマノル監督が「ガス欠」と表現したとおり、チームのパフォーマンスが急激に落ちていった一方、バルセロナは選手交代で調子を一気に上げ、アンス・ファティが1得点2アシストと大爆発。久保は後半、ボールをほとんど受けられないまま同24分にピッチから退き、チームは1-4で敗れ今季初黒星を喫した。
前半のハイプレスのツケが回り、チームが著しくペースダウンしたことで、後半は輝くことができなかった久保だが、スペイン各紙は前半のパフォーマンスを高評価した。レアル・ソシエダの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は「同点ゴールの起点となったボール奪取の局面を作り出したように、粘り強くプレスをかけた」と特に前線からの守備を称賛し、3点(最高5点)を付けた。またスペイン紙「AS」「マルカ」の評価もともに2点(最高3点)と及第点だった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。