浦和、4年ぶり川崎戦で勝利を収めた訳 指揮官、選手に共通する思いとは?「安定性を持たせる」

浦和のリカルド・ロドリゲス監督【写真:高橋 学】
浦和のリカルド・ロドリゲス監督【写真:高橋 学】

浦和は川崎に3-1で勝利

 浦和レッズは7月30日のJ1第23節で川崎フロンターレに3-1で勝利した。リカルド・ロドリゲス監督は「何かを変えるよりも、今やれていることを継続して安定性を持たせることをやっていった」と、好調なチーム状態を生かした試合へのアプローチをしたと話した。

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 浦和はロドリゲス監督の就任から2シーズン目だが、昨季は最初の対戦でチーム完成度の差を見せつけられるような0-5の大敗を喫した。そして、秋にはルヴァンカップの準々決勝で対戦したが、そこで指揮官は本来トップ下タイプのMF江坂任とMF小泉佳穂を前線に並べる“ゼロトップ型”の布陣を披露して2戦合計の勝利に持ち込んだ。

 また、今季の公式戦初戦となった富士スーパーカップでは、ボランチタイプの選手をスタメンに3人並べて川崎に対抗して勝利をもぎ取った。比較的、ニュートラルではない選択をしてでも相手の良さを消して勝機を見出しにいくカードになっていた。

 ところが、この日の浦和はサイドアタッカーを2枚配置し、前線にも負傷明けのFWキャスパー・ユンカーこそスタメンに戻れなかったものの、背後のスペースを狙えるFW松尾佑介を配置した、6月のインターナショナル・マッチウィークによる中断明けからリーグ戦4勝2分の無敗で戦ってきたスタイルを崩さずに臨んだ。そして、前半の開始から高い位置でのプレスを仕掛け、前半4分にMF伊藤敦樹、前半17分に松尾がゴールして一気にリードを奪った。

 ロドリゲス監督は「今までやってきた連係、つなぎ、崩しの所は継続した。今日の試合で言うと、何か変えてやるというよりは今しっかりとやれていることを継続して、そこに安定性を持たせることで試合をした」と、現在のチームに対する自信もにじませつつ話した。

 また、前半の2得点にゴールとアシストで絡んだ伊藤も「相手に合わせるというよりは、練習の中でも前からどうやってはめていくかという練習も多かったので、入りは前からプレスを行くという良さが出たのかと思う」と話した。

 一方で、2点リード後は川崎がボールを持つ時間が長くなり、伊藤も「どちらかというとボールを持たれる時間帯も多かった」という言葉を残し、ロドリゲス監督も「理想を言うのであれば、もっとボールを握ってディフェンスの時間を短くすることができれば良かった」と話す。そうした意味では、パーフェクトな試合をしたというわけではないという感覚があるとしている。

 浦和にとってリーグ戦で川崎に勝利するのは2018年8月1日以来、約4年ぶりになった。ともに2010年代から攻撃的なサッカーで成績を高めてきたが、近年のJ1を席巻してきた川崎と、その途中で紆余曲折があり2019年末に3年計画を打ち出すなど大幅な立て直しを期した浦和の立場が鮮明な成績とも言える。

 このゲームは川崎に新型コロナウイルスに陽性反応を示した選手が複数出て控えメンバーの数が不十分になるなど最高の状態とは言えなかったが、それでもスタメンにはレギュラークラスの選手も揃った中での戦いだっただけに、互いに体力的な問題があるわけではない前半でリードを奪った上で川崎に勝利したことは浦和に大きな自信を与えるものになったかもしれない。

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