「簡単に延期になることなのか」 川崎・鬼木監督が明かす厳しい“台所事情”への思い「今日のゲームは問題提起になるかもしれない」

川崎フロンターレの鬼木達監督【写真:高橋 学】
川崎フロンターレの鬼木達監督【写真:高橋 学】

川崎は新型コロナウイルス陽性者が多数のためベンチ5人中3人がGKで浦和戦に臨んだ

 川崎フロンターレの鬼木達監督は、7月30日のJ1リーグ第23節で浦和レッズにアウェーで1-3の敗戦を喫した試合後、新型コロナウイルスに陽性反応を示した選手が多数いるなか、ベンチメンバー5人で戦ったことについて「意図的なものかは別にして、今日のゲームは問題提起になるかもしれない」と話した。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 川崎はチーム内でコロナ陽性者が増加し、この日のスタメンはレギュラークラスが何とか揃ったもののベンチ入りは最大7人が許されるところで5人のみ。実際のところ、最大という表現だが7人フルで入らない例は非常に稀であり、5人のうち3人がGK登録の選手ということからも厳しい台所事情になった。

 最大5人を使用できる交代枠に対し、フィールドプレーヤーの控えが2人という状況でスタートした試合は前半17分までに0-2とされる展開になり、ラスト10分で1点を返すも最後に突き放された。

 鬼木監督は「準備のところは、その日、その日で体調不良者が出ることもあり難しかった。人数が足りなく、練習生やスタッフが入った。集中は難しかったが、その中でもやってきた。少しナーバスになっていたと思うけれども、ゲームの入り、やってやろうという気持ちは入っていた。だから期待して送り出せたが、気負いになったのかもしれない。そのコントロールも自分の方でできれば、もっと我慢強い戦いになったかもしれない」と、試合に向かう状況を話した。

 川崎は現状で他チームより2試合消化試合が少ない状況にある。今月に入り、サガン鳥栖戦と名古屋グランパス戦が相手にチームに新型コロナ陽性者が増加して定められた規定による試合開催要件を満たさなかったためだ。この日の川崎はベンチ入り16人のうちGK4人という状況ながら、Jリーグによる試合開催の判断となった。鬼木監督はその部分に触れて話している。

「声掛けは難しい状況だった。本当は勝って色々と話したかったが、ルールに沿ってやればこういう形で、人が減ってもやらないといけない。そこに関しては覚悟を持ってやっていこうと。自分たちの2試合が、こういうGKもサブに入れる状況でいくと、簡単に延期になることなのかという思いもあった。意図的なものかは別にして、今日のゲームは問題提起になるかもしれない。それでも、全員で力を合わせて勝とう、と。目的は勝つことなので、そこに集中できたと思う。ただ、結果は残念なものになった」

 主将の日本代表DF谷口彰悟もまた「シーズンが始まる前の話をした時にもリーグを止めずにやっていくという話が事前にされていた。Jリーグの規定もある中、できる限りで最高の準備をすることにフォーカスしてきた。難しい状況でも試合を開催することは、こういう時期、コロナ禍で1つ大きな決断とは思うが、それと今日の試合内容は別で考えないといけない」と話した。

 対戦相手の浦和もリーグ開幕戦当時にはチーム内に新型コロナ陽性者が複数出て、ユース所属選手を急遽ベンチ入りさせて戦った。川崎もまた延期が3試合となればシーズン後半戦に大きな日程負担を抱えることになっただろう。多くのチームがこうした状況とも戦いながらリーグ戦が進んでいるが、試合開催ラインをどこで線引きするかについては鬼木監督の言葉通りに「問題提起」となる試合になったといえるかもしれない。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング