“奇跡”の再来か、メガクラブの逆襲か 熾烈を極める今季プレミアリーグを展望

連覇に挑む岡崎所属の王者レスター 指揮官が掲げる目標は「40ポイント」

 「ミラクル・レスター」による歓喜から早く3カ月。プレミアリーグの新シーズンがスタートする。13日に開幕する2016-17シーズンの注目は、やはり日本代表FW岡崎慎司の所属するレスターが王者として臨む戦いぶりと、名だたる名将による覇権争いの行方だろう。

 就任2年目を迎えるレスターのクラウディオ・ラニエリ監督は、悲願のプレミア制覇を成し遂げても決して天狗になることはない。ディフェンディングチャンピオンとしての自覚は十分に持ちながら、今季の第一目標を残留争いで安全圏とされる「40ポイント」に設定。それをクリアすれば次に10位以内、また次に欧州カップ戦の出場圏内と一歩ずつ高みを目指す考え方は、昨季から一貫して変わらない。

 鍵となるのは、イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディとアルジェリア代表MFリヤド・マフレズに頼り切りだった攻撃の改善だろう。昨季はヴァーディが24得点、マフレズが17得点を決め、2人でチーム総得点(68得点)の約6割を叩き出した。しかし、UEFAチャンピオンズリーグとの同時進行で、同じような戦いを続けられる保証はない。昨季は彼らに続く存在が6得点のFWレオナルド・ウジョアと5得点の岡崎であり、二大エースの比重が高い状況は決して楽観できるものではなかった。クラブ史上最高額となる移籍金1600万ポンド(約21億円)で加入したナイジェリア代表FWアーメド・ムサら新加入選手が、主力の負担をどれだけ分散できるかがチームの命運を大きく左右するだろう。

 また、ヴァーディと岡崎を起点としたハイプレスからの高速カウンターは圧倒的な破壊力を持つ一方、引いた相手を自分たちからアクションを起こして崩す術は持っていない。カウンターが封じられた際の攻撃バリエーションの確保も、大事なポイントになりそうだ。2連覇は困難を極めるが、積極的に補強も進めており、欧州カップ戦出場圏内(7位以内)は十分に射程圏内だ。

 

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