マイアミの奇跡から無敵艦隊撃沈まで… 過去5大会で日本代表は五輪初戦をいかに戦ったか

手倉森ジャパンはナイジェリアを攻略できるか

 アトランタ、シドニーで白星発進を飾った若きサムライたちだが、04年アテネ五輪では苦汁を味わった。アテネ五輪初戦のパラグアイ戦は前半4分に隙を突かれていきなり先制点を献上する苦しい展開に。MF小野伸二のPKによる2得点、またこの世代の得点源だったFW大久保嘉人のテクニカルな追撃弾も生まれたが、守備の修正が効かずに3-4で打ち合いに敗れた。

 その4年後の08年の北京五輪初戦はアメリカ代表との対決となった。長友佑都(インテル)、内田篤人(シャルケ)、本田圭佑(ACミラン)に香川真司(ドルトムント)と現在の欧州組に加えて、西川周作や森重真人といった現在のハリルジャパンの中心選手がスタメンに並ぶ構成だったが、キックオフ時の気温が34度という酷暑の中で試合は膠着した展開となった。

 何度かチャンスを迎えた日本だったが得点を奪えないでいると、後半2分に先制点を献上。反町康治監督は終盤に岡崎慎司(レスター)や豊田陽平(鳥栖)、李忠成(浦和)といったFWを投入したが、0-1の痛い完封負けを喫した。

 過去2大会の教訓を生かしたのは12年ロンドン五輪だった。関塚隆監督率いるチームが迎えた初戦の相手は優勝候補のスペイン。MFフアン・マタやDFダビド・デ・ヘア(ともにマンチェスター・ユナイテッド)らワールドクラスの実力者を揃えた相手に対して日本は前半34分、左CKからFW大津祐樹がフリーで飛び込んで先制点を奪うと、ゲームプランがハマり出す。

 その後もポゼッションでリズムを作ろうとするスペインに対して、FW永井謙佑のスピードを前面に生かしたハイプレッシャーとカウンターで何度も慌てさせ、相手DFイニゴ・マルティネスを退場に追い込んで数的優位に立った。また、MF清武弘嗣も高いスキルを発揮して決定機を作りつつ、最終ラインもDF吉田麻也が統率して1-0で勝利。マイアミの奇跡に続く世界を震撼させるアップセットを達成した。

 過去5大会の初戦は3勝2敗と見事勝ち点3を得るか、勝点を奪えずに終わる結果になっている。今回の対戦相手のナイジェリアは試合2日前になってもブラジル入りできないアクシデントに苦しんでいるが、手倉森ジャパンはコンディションの差を生かして勝ち切ることはできるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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