日本より格上…「W杯対戦国」スペイン分析 “神童”ら中盤は世界屈指、森保ジャパン金星のキーマンは?

中盤には違いを作れる稀代のタレントが君臨、オプション充実で交代カードも注意

■【スペインの注目選手】

MFペドリ(FCバルセロナ)
MFカルロス・ソレール(バレンシア)
MFガビ(FCバルセロナ)
MFマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)
MFコケ(アトレティコ・マドリー)

 スペインの強みは世界屈指の中盤だ。特に“バルセロナの至宝”ペドリは、カタールW杯で大ブレイクが期待される1人。4月3日に行われたセビージャ戦のゴラッソが話題を集めるが、インテリオールと呼ばれる4-3-3のインサイドハーフでの組み立てから、チャンスメイクで違いを生み出せる稀代のタレントだ。

 カナリア諸島のラス・パルマスで育ち、スペイン人MFの中でも独特のボールタッチとリズムを備える。狭いエリアでも手で扱うようにボールをコントロールしてくるので、ディフェンスがうかつに飛び込むと間合いを外して決定的なラストパスなどにつなげてしまう。その意味では、若き日のMFアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)に通じるものがある。MF遠藤航(シュツットガルト)やMF田中碧(デュッセルドルフ)は東京五輪で対戦しているが、大きく成長を遂げており、フィジカル面も当時より向上しているだろう。

 ただし、スペイン は特定の選手を封じれば事足りる甘いチームではない。抜群のキック力を備える大型MFカルロス・ソレール(バレンシア)はペドリともまた違った危険性があり、スルーパスに加えてワイドな位置からのクロスボールも正確だ。

 またペドリよりさらに若いMFガビ(バルセロナ)に加え、パワー、スピード、テクニックと三拍子揃ったMFマルコス・ジョレンテ、経験豊富なMFコケ(ともにアトレティコ・マドリード)など、中盤のオプションは非常に充実しており、ルイス・エンリケ監督が切ってくる交代カードにも要注意だ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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