W杯グループE「対戦国分析」 4度優勝のドイツ、豪華タレント揃いで“不安なし”…日本の“御の字”プランは?

日本と初戦で対戦するドイツ【写真:Getty Images】
日本と初戦で対戦するドイツ【写真:Getty Images】

グループ初戦で激突、ドイツの実力を「基本戦術」「注目選手」「日本との対戦シミュレーション」から紐解く

 11月に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)で、7大会連続出場の日本は、スペイン、ドイツと同じE組に振り分けられ、残る1枠は大陸間プレーオフの勝者(ニュージーランドorコスタリカ)で6月に決まる。ここでは「対戦国分析」として、グループ初戦で激突するドイツを紹介。「基本戦術」「注目選手」「日本との対戦シミュレーション」からチームの実力を紐解く。

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【カタールW杯・グループE/ドイツ代表(FIFAランク12位)の対戦カード】
第1戦 22年11月23日 日本(FIFAランク23位)
第2戦 22年11月27日 スペイン(FIFAランク7位)
第3戦 22年12月1日 ニュージーランド(101位)orコスタリカ(31位)

【ドイツの基本情報】
W杯出場:17大会連続19回目
カタールW杯予選:ヨーロッパ予選グループJ・1位
前回大会(18年)成績:グループリーグ敗退
W杯最高成績:優勝(1954年、74年、90年、2014年)

■【ドイツの基本戦術】

 15年続いたレーブ体制はEURO2020のベスト16敗退で幕を閉じた。すでに3試合の予選を終えていたチームを引き継いだハンス=ディーター・フリック監督は“初陣”から7連勝を飾り、その間だけで24得点を記録した。その中には、前体制時にまさかのホーム敗戦を喫した北マケドニア相手に、敵地で4-0と大勝した試合も含まれる。

 バイエルン・ミュンヘンの監督として19-20シーズンのUEFAチャンピオンズリーグを制覇した指揮官であり、そのリソースを「ディー・マインシャフト(ドイツ代表)」に活用している面はあるが、限られた準備期間で結果を出しながら、若手やフレッシュな選手にもチャンスを与えてきた手腕は見事という他ない。

 未知数なのは短期決戦の大舞台で、同様の手腕を発揮できるかどうか。守護神のGKマヌエル・ノイアー(バイエルン)をはじめ、軸になる経験豊富な選手たちは頼りになる。4-2-3-1をベースにハイプレスとショートカウンターを強みとするが、相手に引かれたら自陣からビルドアップでサイドから攻撃することもできる。

 中盤にはMFヨシュア・キミッヒやMFレオン・ゴレツカ、19歳のMFジャマル・ムシアラとバイエルンの選手が多く、さらに攻撃的なポジションはどこでもこなすFWトーマス・ミュラー、屈強なセンターバックのDFニクラス・ズーレなど、連係面の不安がほとんどないことも、事前キャンプの時間が限られるカタールW杯ではアドバンテージになりそうだ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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