J1で開幕3戦先発の黄金ルーキーら期待の逸材がズラリ パリ五輪世代の注目選手10人を厳選

有望株・松木とてU-21日本代表への定着は簡単ではない

<非招集メンバー>
■松木玖生(FC東京/MF)

 アルベル監督が率いるFC東京でリーグ戦3試合にスタメン、ここ2試合はフル出場を果たしている。コロナ禍での難しい台所事情を差し引いても、高卒ルーキーとしては立派だ。しかし、試合を重ねるごとに持ち前のフィジカル的な強さだけでなく、中盤で組むMF安部柊斗や前線のFWディエゴ・オリヴェイラのサポートなどでも存在感を高めつつある。U-21日本代表は怪我で離脱中のMF松岡大起をはじめ、横浜FMの藤田、湘南のMF田中聡、京都で躍動するMF川﨑颯太などタレントが多く、松木とて簡単に定着できる場所ではない。しかしながら、FC東京はチームとしても伸びしろが期待できるなかで、さらに成長と結果を積み重ねればチャンスは十二分にある。

■北野颯太(セレッソ大阪/MF)

 2004年生まれなので、飛び級を除けばパリ五輪世代では最も下の年齢になる。それでも早い段階で大岩監督のメンバーに食い込んでくる可能性は十分にある選手だ。スピードとシュート技術の両面に優れるストライカーだが、筆者が注目しているのが気付きの早さ。流れの中でも、ここというスペースを逃さず、相手ディフェンスよりも先に動き出すシーンが多い。まずは来年インドネシアで行われるU-20W杯が目標になるが、そこを飛び越えた存在になっているかもしれない。

■中村拓海(横浜FC/DF)

 世代屈指の右SBが真の飛躍に向けて、爪を研いでいる。U-18日本代表の頃から、もともと「目標はパリ五輪」と明確に語っていた。昨年、FC東京ではなかなか出番に恵まれなかったが、欧州リーグに挑戦することを前提に、J2に降格した横浜FCへ移籍。四方田修平新監督が率いるチームで3バックの右を担い、攻守にわたる奮闘で開幕4連勝に貢献。大分トリニータ戦ではタイミングの良い攻め上がりで、決勝のアシストを記録した。半田やDF成瀬竣平(名古屋)などライバルは多いが、相手陣内でのセンスはライバルにもない武器だ。

■松橋優安(SC相模原/MF)

 J3の開幕戦で見事なボールコントロールから冷静に流し込んで、アスルクラロ沼津戦の勝利に導いた。東京ヴェルディから期限付き移籍中の松橋は「J3優勝を目指しているなかで、開幕戦勝てたのは大きい」と語った。U-19日本代表では荒木遼太郎(鹿島)や鈴木唯人とポジションを争った選手であり、東京V時代の同僚であるMF山本理仁や藤田が選ばれているU-21日本代表の情報を聞いて「悔しい気持ちはある」と心境を明かす。それでも「J3で圧倒的な存在になれば代表スタッフも見てくれているはず」と語る松橋が持ち前の攻撃センスを発揮して、圧倒的な輝きを放てるか注目だ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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